経験例43 不安、緊張、意欲低下、広場恐怖 50代 男性 【 パニック障害の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

不安・緊張
意欲がない
肩・腰が痛い
疲れやすい
予期不安
広場恐怖

・緊張状態が続くと悪化
・睡眠不足で悪化

発症は 約2年前

病院から、抗不安薬、抗うつ薬、漢方薬が処方されているが改善されていない。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.上腹部痛、胸脇部痛、喉の刺激感、胃が張る、食事量が入らない、冷たい物や脂物を食べると気持ち悪くなる、便秘と下痢を繰り返す等 胃腸の強い乱れがあった

2.夢を見ることが多い、焦燥感、パニック、恐怖感、驚きやすい、音が気になる等 脳の過敏状態が強い。

3.頭痛、手足の冷え、寒がり、体がだるい、目がしょぼつく・疲れる、寝起きが悪い、肩・首のこり等 全身での血流が強く低下していた。

4.抑うつ感や憂うつ感など 抑うつ系の精神症状も出ている

緊張感が高く、脳の疲労状態が続いているために「意欲が出ない」という抑うつ系症状が出ていました。

脳の過敏状態が強いために「予期不安、広場恐怖」が

肩・腰が痛い、疲れやすい」のは全身での血流が低下しているためと判断。これらを治療していくことにしました。


治療経過

服用から1ヶ月目

特に良い変化はない。

10日ほど便通が緩い時があったが、胃腸炎(風邪)の影響だったかもしれない。

服用から2ヶ月目

体調と精神面に変化が出てきた。

全身が軽くなり、だるさがなくなった。不安感がだいぶなくなってきたように思う。

気持ちがスッキリした感じ。

ただし、胃腸はまだスッキリしていない。胃の重さを感じる。

服用から3ヶ月目

だいぶ良い感じ。毎日が楽になった。

胃の不快感と若干の痛みがあり。病院で胃薬が処方された。

併用可と判断し、漢方薬と一緒に服用してもらいました。

服用から4ヶ月目

精神面は格段に良い。

ただ、胃の調子が悪く困っている。胃もたれ感が強く、特に食後が良くない。

会社を経営しているが、問題が発生すると胃がキュンと痛くなる。

当初にご相談いただいた症状は、この時点でほぼ改善。
ここから胃腸を整えていくことを主目的とした治療に変更しました。

服用から5ヶ月目

抗不安薬と抗うつ薬を減薬→中止。特に問題はなかった。

胃腸は少しずつ整ってきている。

服用から6~8ヶ月目

この間、睡眠の質が落ち、睡眠時間は5時間ほどに。

6時間眠れれば体調は良いので、最低6時間は寝たい。

この不眠症状は一過性のもので、その後はまた眠れるようになった。

服用から9ヶ月目

また胃もたれが出てくるようになった。ここ数ヶ月で体重が数キロ増。

摂取カロリーは少ないくらいだと思うのだが、食べ過ぎなのだろうか。

近々、飛行機に乗る予定。4年前、離陸直前にパニックを起こし、トラウマになっている。少し不安。

服用から10~13ヶ月目

飛行機には緊張しながらも問題なく乗れた。搭乗後には緊張も少しずつ和らいでいった。

精神症状もなく、体調は基本的に良好。胃腸も食べ過ぎなければ問題ない。

ここで廃薬となりました。


考察

会社を経営されているとのことで、強い精神的緊張にさらされながら生活をされている方でした。

ストレスが強い環境にいらっしゃると、仕事を辞めるなどストレスから逃げ出さないと治らないのではないかと考える方が多いようです。

もちろん、精神的にも身体的にもストレスがない方が改善は早い傾向はありますが、ストレスを抱えながらでも十分に治療は可能です。

あまりに強いストレスであれば、改善は緩やかにはなってしまいますが、改善自体は進んでいきます。

この方の場合は、2ヶ月目から改善が始まるというまずまずの改善スピードでした。

始めにご相談いただいた症状については、4ヶ月ほどで改善。ここまではかなり順調な経過でした。ただし、調子が良くなったことで、以前からあった胃腸の乱れの方に目がいくようになりました。

胃腸を整える処方に変更してからは、多少の体調の波はありながらも順調に改善。およそ1年の治療で終了となりました。

途中、長年服用していたという抗不安薬と抗うつ薬を減薬ののちに中止しました。

成功の鍵となったのは、精神症状を始め体調が良くなってから徐々に中止していったことです。

不調がある状態で減薬や断薬をすると高い確率で禁断症状等の不調が現れてきます。

当店では、漢方治療で体調・症状を安定させてからの減薬・中止をお勧めしております。

早く止めたいという焦りの一心で減薬などをしてしまうと、かえって体調を悪くしてしまい、激しい落ち込みや焦りを引き出してしまうことが多いです。


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