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西洋医学では

自律神経失調症の方は何故に自律神経を乱すのでしょうか?現代医学では診療科によって異なった見方をしています。内科では「原因不明の病気」と捉えていますので原因については言及していません。診療内科や精神科では精神神経症状を主体に捉えていて「心の病気」であると判断しています。発症の原因は「精神的ストレス」と捉えているのです。 このことから心療内科ではカウンセリングや作業療法などとともに、マイナー系の精神安定剤や抗うつ剤を使用することが多いようです。精神科では薬物治療が中心となりメジャー系の精神神経の薬剤での治療が多くなるようです。

心身医学の導入

自律神経失調症は心身医学が導入されるまでは、日本では内科や精神科が担当していましたが、心身医学が導入されてからは心療内科が主に治療に当たるようになりました。

心身医学が導入されたのは戦後、昭和30年代の後半でした。アメリカに留学された九州大学の池見酉次郎教授が日本に持ち帰ったのが最初でした。この時、それまでにあった物理療法(物療内科)をヒントに心療内科と言う名称をつけられたようです。これが日本での心身医学の始まりでした。心療内科は日本ではまだ50年程度しか経過していない若い医学領域なのです。


自律神経失調症と心身症

心療内科の分野では「心身症は精神的ストレスや自然現象の変化、手術、外傷などの刺激に対して、自律神経が対応できなくなった状態であって、もともと、自律神経の調整機能が低い方や感情を抑圧しやすい方、または情動が未分化で感情が不安定な方、些細なことが気になりすぎる方、依存型などの方がなりやすい」と言っています。

これらの状態はまさに自律神経失調症の発症基盤と同じです。となると、心身症と自律神経失調症は同じ病態であると考えても良いのではないかと私は思っています。


心療内科と精神科

この病気はもともと病気とは認識されていませんでしたから、内科では「気のせい」と言うことで真剣に相談には乗っていただけなかったようです。また、精神科は「精神疾患」と認識して治療を施していました。

心身医学の導入以来、器質的な病変のない体調不良の方は、主に心療内科または精神科で治療を受けるようになりました。ただ、両者の科が扱う薬剤はかなり違います。心療内科は主にマイナートランキライザー(軽い向精神薬)を処方し、精神科ではメジャートランキライザー(強い向精神薬)を処方される傾向にあります。この違いはこの病気に対する統一的な見解がないためだと思われます。


《補足:現代医学での治療結果》

ここで現代医学の治療データを示しておきましょう。現在では精神的ストレスで、神経細胞間の化学伝達物質を減少させることが原因で発症するために、化学伝達物質の再吸収を阻害すれば脳が活性化すると推測し、化学伝達物質の再吸収阻害剤(抗うつ剤)を投与することが主な治療となっています。

ただ、抗うつ剤をwikipediaでは次のように記載しています。「抗うつ薬を投与された30%~50%の患者が反応を示さない。着実な反応があった場合でも、うつ病と機能不全の有意な継続は一般的で、そういう事例では再発率は3~6倍高い。さらに、抗うつ薬は治療の過程で効果を失っていく傾向がある。」という研究発表がなされています。