未経験例01 乗り物に乗ると尿意、座ると尿意 30代 男性 【 自律神経失調症の治し方 】


症例紹介

今回は、当店にご相談はいただきましたが、ご注文はいただけず治療には至らなかった例です。タイトルも未経験例とさせていただきました。

症状・病態についてご紹介したいものであったため、掲載させていただきました。病態の解説としてご覧下さい。(※治療経過の記載はありません。)

治療はそれほど難しいものではないと判断していました。似た症状でお悩みの方は、ぜひご相談下さい。


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

飛行機・電車・バスに乗ると尿が出そうになる
座ると尿意がくる

・乗り物に乗る前にトイレにいっても出そうになる
・トイレに行っても少ししか出ない
・トイレから戻って座るとすぐに出そうになる
・立っていると少し楽
・知らない場所で椅子に座っても出そうになる
・普段は症状は一切ない

発症は3年ほど前。

上述の通りの状況でした。乗り物に乗ると尿意が出てくるというのが基本的な相談内容です。

尿意を感じてトイレに行ってもほとんど排尿はないというのが特徴的です。

普段の生活の中では、ほぼ症状は出てこないということで精神的緊張が関係していることが推測されます。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.目がかすむ、目が疲れる、手足の震え、腰のこわばり・痛み、聴力の減衰、起立性調節障害、体温調節が難しい、肩こり、首こりなど 大きな症状は出ていないが全身での血流低下はみられる

2.イライラ、怒りが強いなど 脳の興奮症状が出ている。「緊張感は感じていない」とお答えいただきましたが、「ため息が多い」など緊張感の高さを示す症状も出ていました。

3.焦燥感、早朝覚醒、多夢、不安感、驚きやすいなど 脳の過敏状態は出ているが強いものではない

4.残便感、腹痛、緊張時の頻尿、胸が苦しい、下痢~軟便など 内臓筋(平滑筋)の痙攣・収縮を示す症状は多い

5.水分の多飲、水様便、毎日晩酌など 水分摂取量は多いが病態に直接的な影響はないと判断した。

症状の根本的な原因は、精神的緊張による膀胱の筋肉(排尿筋)の収縮にあると判断しています。

筋肉が収縮し、膀胱の内圧が上がることで尿意を感じてしまっています。
尿が溜まったかどうかは関係なく、膀胱内に圧力がかかったことで尿意を感じる仕組みになっています。
トイレに行っても尿はほとんど出ないという状態とも一致しています。

特定の状況でしか症状が出てこないことから、精神的緊張が関係していることは間違いありません。
精神的緊張は自覚がある場合と自覚のない場合があります。この方の場合は、乗り物に乗ることに特段緊張は感じていないとのことでした。

乗り物に乗ること自体に無意識的な緊張をされているのか、乗り物に乗ったら尿意がきてしまうという思考自体が緊張の原因になっているのかと予想されます。

また、立っていると少し楽に感じられるのは、座ることで下腹部に圧力がかかるためです。
座ったことで膀胱に圧力がかかるとより尿意を感じやすくなり、立っていると姿勢による物理的な圧力が少ないために楽に感じていらっしゃるのでしょう。

この病態では、精神的緊張を緩和してあげること、緊張感によって収縮しやすい排尿筋(平滑筋)を緩めてあげる治療が必要になります。

ご相談いただいた方の治療では、尿意だけではなく、血流の低下、精神的緊張や脳の興奮、脳の過敏状態などの不調にも対応していきます。
尿意だけではなく、体調全般も良くしていけると考えて処方を組み立てていきます。

その方の治したい症状だけではなく、体調全体を診て治療を行っていくのが当店での治療方針になります。


治療経過

ご注文はいただけませんでしたので、治療経過はありません。

この病態では、比較的効果は出やすいと考えています。平滑筋の収縮を緩める治療は漢方では比較的容易な部類に入ります。
早ければ1ヶ月以内に症状の改善が感じられるのではないかと予想しています。

2~3ヶ月以内には症状は楽になり、半年もあれば、ほとんど症状が出てこなくなっているのではないかと考えています。

同様の症状でお悩みの方は、ぜひご相談下さい。

特定の場所で尿意が出てくる。
特定の状況で尿意が出てくる。
実際にトイレに行ってもほとんど排尿はない。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。

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