経験例67 肩が凝ると気分が悪くなり動悸 60代 女性 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

肩がパンパンに固くなる

気分が悪くなる(血の気が引く感じ)

動悸
↓ ひどくなると
パニック

熱感が強い
冷えも感じ体温調節が出来ていない

・なんの前触れもなく急に出てくる

発症は20年前。一時改善していたが、5年前から再発

病院からは、セパゾン、スルピリド、アルプラゾラム(頓服)などが処方されている。

冷えが強く牛車腎気丸、附子、補中益気湯も服用中。あまり改善は感じられない。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.動悸、寒がり、足の冷え、体がだるい、息苦しい、頻脈、肩こり、首こりなど 全身での血流の低下が起こっている

2.イライラ、緊張感など 脳の興奮状態はない。

3.お腹は空くがあまり入らず無理に食べている、軟便気味など 胃腸の乱れはあるが強くはない

4.不安感、恐怖感、音が気になる、途中覚醒、パニックなど 脳の過敏症状は強く出ている

訴えておられる症状は、ほぼ血流の低下による症状でした。

肩がこる、気分が悪くなる(脳貧血)、動悸、冷えは全て血流低下による症状です。

この方は他に不調があまりなく、確定的な診断は難しかったですが、これまでの治療経験から原因を推測し治療にあたりました。

熱さを感じるとのことで、体内での熱の生産は高いようです。このあたりにも対応していきます。


治療経過

服用から1ヶ月

動悸時に飲む頓服の薬(アルプラゾラム)が効くようになってきた。これまでは服用しても効果がなかった。

体温があがり36℃台になった。(これまでずっと35℃台)
それなのに不快な熱感がある訳ではない。

アルプラゾラムが効くようになったのは、薬の効果が出る程度にまで症状が軽減したと判断出来ます。
「症状が軽減する」「症状が出なくなる」以外にも、改善を示唆する情報は様々あります。

服用から2ヶ月

肩のこりからの動悸時には、これまでアルプラゾラムを2錠頓服で服用していた。

今は1錠でも良く効く。効き過ぎるくらいあるので、1/2錠にしようかと思うくらい。

服用から3ヶ月

順調に改善していたが、夏場に入り猛暑のためかぶり返し気味。

改善が進んでいただけに、油断から生活や飲食にも乱れが出ていたようでした。
この部分を指摘し、改めていただくことに。

服用から4ヶ月

肩こりから動悸、パニックなどが出てくることは、ほぼなくなった。

まだ肩こり自体は残っている。ただ大きな不調に繋がるような肩こりではない。

まだ暑いので暑さに敏感な状態ではある。

服用から5ヶ月

帰省した後に、久しぶりに発作が出た。

帰省中は飲食が疎かになっていた。このためかもしれない。

久しぶりに頓服の薬を服用した。長いこと服用していなかったことに気付いた。

服用から6ヶ月

その後、発作は出ていない。安定してきた。

病院では、肩こりが良くならないと体調は良くならないと言われた。
ただ、病院ではこの肩こりが治らなかった。

漢方治療を始めたからは、この肩こりがかなり軽くなってきている。

服用から7~11ヶ月

この間、体調は安定。

途中、持病での手術があり術後には調子が下がったが、しばらくすると回復した。
単純に手術で体に負担がかかったものと思われる。回復力もしっかりと働いてくれている。体調が安定している証と言えます。

安定剤を服用することもなくなり、良い状態が続きましたので、ここで廃薬となりました。


考察

この方は、肩こりが原因で、気分が悪くなる(脳貧血)、動悸、パニックなどの発作症状が出てきていると考えておられました。
病院の医師もそのように考えていたようです。

当店としては、そうではないと分析しています。
上記の肩こりから連なる症状は、全て血流低下による症状です。

強い肩こりを引き出すような血流の低下が起こり、血流が低下しているので脳貧血や動悸なども起こるという分析です。
全ての症状の原因は血流の低下であって、肩こりも脳貧血も動悸もパニックも血流の低下によって引き出された症状と考えています。

自律神経失調症の専門店である当店は、こうした血流を低下させている原因を突き止め治療していくことを得意としています。

この方に行った治療も、特に肩こりを治療していくようなものではありませんでした。
体の調子を整え、血流の低下が改善するような治療を行っただけです。
この治療で発作が出ることはなくなりましたし、肩こり自体も改善していった次第です。


一方で体には熱感を感じるとのことでした。体内での熱の生産が高い状態です。
この方の体質的な部分を見ると、熱の生産が高くなる要因はありませんでした。

原因は、牛車腎気丸附子でした。冷えがあるとのことで出されたようですが、この処方で熱の生産を高め過ぎていたのです。それなのに肝心の冷えは改善していません。

冷えは熱の生産が低い、もしくは体表面の血流の悪さから感じる症状です。
いくら熱の生産を高めても血流が悪ければ冷えは改善しません。
特に熱感と冷えが両立している場合は、まず間違いなく血流の低下から冷えが出ています。

この方も熱の生産だけが高くなり、それを不快に感じていらっしゃいました。
当店以外の漢方薬の服用を中止いただくことで、熱感も改善していきました。

また当店の漢方治療で血流が改善していったことで、冷えも改善されていきましたし、体温も上がりました。

ポイントとなるのは、この方には身体を温めるような処方は一切使用していない点です。
冷えは身体を温めれば良いと誤解している方が多いです。冷えを解消する場合、冷えの原因によって治療法(対応)は変わります。冷えでお困りの方もぜひご相談下さい。

同様の症状でお悩みの方、また、自律神経失調症やパニック障害でお悩みの方もぜひご相談下さい。

当店は、あなたの体調を良くしていくお役に立てると考えています。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。