発病の経過と症状
ご相談いただいた症状は下記のものです。
閃輝暗点
頭痛
発症は14才頃から、月に10回ほど出ることが続いていた。
20代後半から10年弱症状は消えていたが、半年前から再発。
現在は月に3回ほど出るようになっている。ここからさらに悪化していかないか心配している。
最も症状が強かったのは、10代の頃。症状が出ると嘔吐するほどだった。
閃輝暗点についての症状解説はこちらのページでご確認ください。
特徴
ご相談いただいた症状以外の特徴は
1.顔が赤くなりやすい、目の充血、顔が脂ぽい、寝付きが悪い、イライラなど 心身の興奮状態は出ていますが、それほど強いようではありません。
2.頭痛、寒がり、手足が冷える、目が疲れる・乾燥する、光が眩しいなど 血流低下症状はしっかり出ています。特に頭部での血流の低下が顕著にみられます。
3.不安感、恐怖感、焦燥感、多夢、眠りが浅い、音が気になる、パニック経験ありなど 脳の過敏状態が出ています。
4.食欲もあり美味しく食事が取れるなど胃腸機能は問題ありません。
5.生理周期は不順で38~50日ほどと遅れる傾向があります。生理痛は酷く、PMS症状も多く出ています。生理血に塊も見られ、女性ホルモンの乱れは大きいと判断しました。
頭痛への対策として、頭痛予防サプリを使用していましたが、特に効果は得られなかったようです。
マグネシウム系のサプリメントだったようで、良い効果は得られなかった半面、便が緩くなるという副作用だけ出ていました。
今回の再発後には、運動を心がけたり、食事(栄養)に気を付けたりとしているが、回復していく様子は見られない。
不調が悪化する要因としては、季節の変わり目、肩こり、コーヒー、生理前後、何かに集中した時とのことです。
コーヒーを飲むと明らかに症状の頻度が増えるとのことでした。
血流が変化するタイミングで悪くなると言えます。
当店では閃輝暗点も頭痛も頭部での血流の低下による症状と考えています。
悪化の要因と原因も一致しています。
あとは血流が低下している原因を突き止め、その原因を治療していきます。
この方の不調(血流低下)の原因は簡単に特定出来ました。この原因部分を治療するための適切な漢方薬を選び、服用を開始していきます。
治療経過
服用から1ヶ月
服用開始後に2回ほど閃輝暗点が起こった。生理前10日頃に起こる傾向あり。
悪化しているというより変わりがないという感じ。
服用から2ヶ月
あまり変わりがない。
服用から3ヶ月
明らかに寝付きが良くなった。眠りの浅い状態が改善し、中途覚醒がなくなった。
服用から4ヶ月
この2ヶ月で閃輝暗点は1度だけ。頻度が減ってきた。
いつも生理が不順だったが、今回は1ヶ月ぴったりで来た。
服用から5~6ヶ月
閃輝暗点なし、生活が楽になっている。
服用から7ヶ月
久しぶりに閃輝暗点が出た。生理前日だった。ただし、1度だけ。
生理の周期はその後順調。
服用から8ヶ月
生理前10日あたりにまた閃輝暗点が出た。頭痛もなくなっていたのが増えてきている。
ここしばらく体調が良くない。中途覚醒も再開している。生理周期自体は順調。
当店:状況をお聞きしていくと生活の中に不調がぶり返す原因となるものがありました。指摘して改善を意識していくように指導を行いました。
服用から9~11ヶ月
指導を元に対策後、閃輝暗点は一度も出ていない。中途覚醒もなくなった。
3ヶ月不調が出ていないのが嬉しい。廃薬のタイミングを教えて欲しい。それくらい良い調子。
服用から12ヶ月
4ヶ月ぶりに閃輝暗点。症状としては軽かったのでそれほど気にしていない。
服用から13~18ヶ月
その後、閃輝暗点が出てくることはなかった。頭痛が出ることもなく快適に過ごせる毎日。ここで廃薬してみる。
当店:廃薬するには十分な状態にあると判断しました。廃薬後しばらく(1年以上)経っていますが、再発するような経過は見られていません。
考察
閃輝暗点は脳での血流低下による症状と判断していきます。
発症するのは女性が多く、女性ホルモンの影響を受ける方が多いものです。
ただし、この方もそうでしたが症状が悪化した場合、生理周期は全く関係なく、月を通して頻繁に症状が出てくることもあります。
女性ホルモンの影響以外にも、血流を低下させている原因があると判断していきます。
実際に、この方へ行った治療は女性ホルモンを整えていく治療だけではありませんでした。
途中でぶり返し傾向がみられた際にも、女性ホルモンとは関係のない部分からのぶり返しでした。
頭痛も頭部での血流低下による症状と考えていきますので、閃輝暗点の治療と頭痛の治療は同じものとなります。
閃輝暗点の治療をしていけば頭痛が良くなっていくし、頭痛の治療をしていくと閃輝暗点が良くなっていくという具合です。
結局のところ、血流が低下している原因を正確に突き止められるか、その原因に適した処方(漢方薬)を選薬出来るかが重要になります。
この方は14才頃からの発症とのこと。
初潮の時期ですので、発症には女性ホルモンが影響していたのではないかと予想しています。
その一方で、症状が出ると嘔吐するほどの不調が出ていたのは、女性ホルモンだけが原因ではなかったことでしょう。
そもそも血流が悪いという下地があり、そこに女性ホルモンの乱れが重なることで強い症状に発展していたと考えられます。
14才での発症から、20代後半で症状がいったん落ち着くまで長い期間苦しまれていたようです。
この時期に漢方治療に出会えていれば、もっと楽に楽しい時期を過ごせたことかと思います。
治療は早い方が良いと考えています。
閃輝暗点は治療しやすい症状です。
症状が落ち着くまでの期間も比較的短いです。
あまり毎日のように出てくる症状ではないため、少し我慢すればやり過ごせてしまいます。
そのため、わざわざ治療をされない方も多いと感じています。
実際、閃輝暗点自体は重篤な疾患・症状という訳ではありません。
放置したからと大きな病気に繋がることも、命に関わるようなことにもならないものです。
ただし、不快感は強い症状ですし、不調として閃輝暗点だけが出てくることは少なく
ほとんどの方は閃輝暗点以外にも血流低下症状を感じていらっしゃることでしょう。
閃輝暗点だけではなく、他にも不快な症状が多く出ているとすれば、全て含めて治療を検討されてみると良いでしょう。
当店では特定の症状だけを改善させていくような治療はしていません。
感じられている不快な症状を全て改善していけるような治療を行っていきます。
閃輝暗点でお困りの方、その他の不調も出てお困りの方、ご相談をお待ちしております。
ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。