経験例59 喉の異物感、息苦しい、不安感 40代 女性 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

喉の異物感
気管が狭まる感覚
息苦しい
不安感(息苦しさに対する)
首筋や肩のこり
耳の詰まり感(耳閉感)
耳の痛み(耳痛)

・起床時は調子が良いが夕方になるにつれ症状が悪化する
・症状が出るのではないかという強い不安
・症状が出る時には後頭部に熱感を感じることも

発症は1ヶ月ほど前。

夕方になると息苦しさが出てくると気になり始める。
1週間ほど続いた時、急に不安感が強くなり居ても立っても居られなくなり病院へ駆け込む。

病院の検査では異常なしとの診断。疲れによるものでしょうと帰された。

喉の異物感(詰まり感)は自律神経失調症では比較的良く出てくる症状です。
喉に圧迫感を感じるようになり、すぐ横を通る気道も圧迫される(空気の通り道が狭くなる)ので息苦しさを感じるようになることもあります。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.全身の冷え、手足の冷え、足がつる、体がだるい、日中眠い、立ちくらみ、忘れっぽい、頭重感、肩こり、首こりなど 頭部を含めた全身での血流の低下が起こっている

2.食欲はあり、食事も美味しく食べれるが食事量が少なく、基本的に泥状便、残便感など 胃腸機能に少し乱れが出ている

3.緊張時に腹痛、下痢、便秘、頻尿など 精神的緊張の影響は受けやすい

4.不安感は強いが その他には脳の過敏症状はあまり見られない

息苦しさが出ているために、不安が大きくなっています。
呼吸がしづらい事は命に関わるように大きく感じます。不安感自体は、症状に対する純粋な不安や恐怖と考えられました。正常な反応であると判断しました。

胃腸の乱れが強い訳ではないので、喉の異物感については胃腸の症状ではなく、血流の低下によって喉の筋肉の収縮が起こっていると判断しました。

夕方以降には、疲労と気疲れ(精神的疲労)によって血流がさらに低下することで喉の異物感が出ていると考えました。

精神的な緊張をベースとして、血流が低下している原因を見つけ出し、治療を開始していきました。


治療経過

服用から1ヶ月

少し良いかなというくらい。大きな変化はない。

服用から2ヶ月

少し良くなってからあまり前進していない。

服用から3ヶ月

良い日が出てきたが、まだ良い日と悪い日が1:9くらい。

服用から4ヶ月

喉の異物感が消失。息苦しさもほとんど軽減したがまだ少し出ている。

耳の詰まり感も減ってはいるが、今度はこちらが気になるようになった。

一番気になっていた症状が改善されると、今度はそれまで気にしていなかった症状が気になるようになることが良くあります。
軽減傾向にあるのであれば、気になるようになっただけで問題ないとお話しました。

服用から5ヶ月

夕方以降の不調がだいぶ楽になってきた。

服用から6ヶ月

喉の異物感、息苦しさ、耳の詰まり感、耳の痛みは消失した。

今度は夕方以降の頭重感と肩のこりが気になるようになった。

いろいろな症状が順調に改善し、頭重と肩こりだけが残っている状態です。
ここまで順調に改善してきていますとお話しました。

服用から7~12ヶ月

体調は安定。強い症状が出てくることはなくなった。

この間、生理周期に乱れが出始めました。生理期間は短くなり、生理血も減少傾向。年齢的には更年期に入ったと考えられます。
ただし更年期を思わせるような不調は出ていませんでした。

服用から13~18ヶ月

半年ほど生理が来ない。来そうな兆候はあるが来ないまま。閉経したように思う。

特に大きな不調はない。更年期なのは間違いないので、このまま体調管理のために漢方薬を続けたい。

服用から19~65ヶ月

基本的に調子良く過ごせた。

閉経後にも強い更年期症状が出てくることはなかった。

不調の兆候が出てくることはあったが、処方を手直ししながら先回りして不調に繋がらないように対応していました。体調管理は成功と言えます。

閉経からおよそ4年。今後、新たに更年期の不調が出てくることもないであろうと考えられます。

体調は十分に安定。ここで廃薬となりました。


考察

喉の詰まり感という自律神経失調症では比較的良く目にする症状の方でした。

多くの方では、あくまでも一症状として出てくるものですが、この方の場合はこの「喉の詰まり感」が主な症状であり、息苦しさも相まって命に関わるのではないかと感じるほど強い不安と恐怖を抱かせるものでした。

喉の筋肉が血流不足で収縮し、喉・食道などが膨張している状態です。
筋肉の収縮とは、力こぶをイメージしていただければ分かるように、膨張を意味しています。
膨張した喉の筋肉によって気道が圧迫され、息苦しさを感じています。

疲労や精神的緊張によって出てくる状態もあり、精神的な緊張を和らげてあげるとともに血流の低下した状態を治療していきました。

始めの3ヶ月ほどはあまり改善を実感いただけなかったようです。3ヶ月目でやっと1割ほど改善したかなという程度でした。

ただし、改善が少しでも出ていればあとは治療を進めていくだけです。この方も改善が現れてからは一気に回復していきました。
耳閉感や耳の痛みなど頭部での血流の低下状態も順調に改善していきます。

半年ほどで体調は安定し、その後は更年期に突入したこともあり、体調の維持管理を目的に漢方薬の服用を続けていただきました。

服用を続けた甲斐もあり、更年期には大した不調もなく過ごせたとお喜びいただけました。

喉の詰まり感も含めて、息苦しさは命に関わる強い症状とお感じになることが多いことでしょう。
実際、息苦しさを感じた時には不安感、恐怖感が強く出てきます。

喉の筋肉の収縮からくる息苦しさは、病院の検査では異常を見つけることが出来ません。異常が見つけられないため、有効な治療法も提示されずお困りの方も多いかと思います。

漢方治療では、息苦しさ(喉の詰まり感)を引き出している原因を見つけ出し、治療していくことが可能です。

同様の症状でお悩みの方、ぜひご相談下さい。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。

関連ページ:

症状解説:喉が詰まる