経験例47 めまい、動悸、呼吸の乱れ、手足の震え 30代 女性 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

めまい
動悸
呼吸の乱れ
手足の震え

・精神的緊張で悪化する
・閉鎖空間が苦手
・人が多いところが苦手

4年程前から症状が出てきた。

就職後の食生活の乱れは大きかった。食事は弁当やお惣菜が中心。

仕事をするために栄養ドリンクが欠かせず、コーヒーも5~6杯/日。アルコールも多かった。

安定剤を頓服で服用中。

にんにく(玉)が自律神経に良いと聞いて摂っているが、効果はなかった。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.ほてり、のぼせ、発赤、目の充血、皮膚の痒みなど 体の興奮状態は強い

2.イライラ、怒りが強い、緊張感が強いなど 脳の興奮状態も強い

3.夢が多く、焦燥感(そわそわ感)、不安感、恐怖感、音(声)が気になる、パニック、驚きやすいなど 脳の過敏状態が顕著。

4.口内炎、胸焼け、口臭、呑酸、吐き気、喉の詰まり感、胃痛、胸苦しい、便秘と下痢の繰り返しなど 胃腸の乱れは強い

5.寒がり、手足の冷え、目が疲れる・乾燥する、光が眩しい、肩首の強いこり、ふらつき、息苦しいなど 全身の血流が強く低下している

「めまい(頭部)、動悸(体)、呼吸の乱れ(呼吸筋)、手足のふるえ(手足)」は、全て血流の低下から引き出されている症状です。

この方は症状がたくさん出ていたため、血流を低下させている原因の特定は容易なものでした。

上記の特徴を踏まえて、血流を改善する治療に入ります。

飲食も乱れていたために、この方に合った飲食の指導もしていきました。


治療経過

服用から1ヶ月

アドバイス通りの飲食にしたためか、徐々に体調が良くなってきた。

予期不安があるものの、不快な症状は減ってきている。

服用から2ヶ月

少しずつ行動範囲が広がってきた。

慢性的な下痢や便秘が治ってきている。嬉しい。

服用から3~4ヶ月

アルコールを完全に止めた。そのせいもあってか体調が良い日が多い。

服用から5ヶ月

だいぶ落ち着いてきた。安定剤の服用回数が減っている。

服用から6ヶ月

アルコールがすんなり止められたこともあり、何となく禁煙も始めた。

体調は安定。

服用から7~8ヶ月

安定剤の服用回数が以前の半分以下になった。

体調はずいぶんと良くなり、安定してきている。

服用から9ヶ月

安定剤の服用回数はさらに減ってきている。

不安や強い緊張を感じることがあっても、めまい・動悸・手足の震えなどの症状が出ることがない。

服用から10ヶ月

改善が進んでいる。

恐怖感の強かった乗り物、歯医者などに安定剤なしで行ける(乗れる)ようになった。

服用から11~13ヶ月

この1年で見違えるほどに調子が良くなった。

電車での移動が楽になり、行動範囲が広がったことが嬉しい。

服用から14~16ヶ月

この3ヶ月間、体調が良く安定剤を服用することがなかった。

漢方薬はいつまで続ければ良いのだろうか?

服用から17ヶ月

この1ヶ月も安定剤の服用なし。体調も良く、不快な症状を感じることはない。

数ヶ月間、不快な症状が出てくることはなかった。安定剤も今後服用することはないと思う。

体質は十分に改善したと判断し、ここで廃薬することとなりました。


考察

治療期間は約1年半となりました。

この方は不調の原因も特定しやすく、それに対する治療法も明確だったので安心して治療に入れました。

改善スピードも早く、1ヶ月目からすぐに改善が始まりました。
改善が始まるのが早かった方は、意欲的に治療を継続していただける傾向があります。

自律神経失調症の漢方治療は、1ヶ月目では変化が出ないことも多く、すぐに治療を止めてしまわれる方が多いものです。
我慢して継続いただけると2ヶ月目、3ヶ月目から改善が始まるのですが、焦りが強い方はお待ちいただくのが難しいのかと思います。お気持ちは大変良く理解出来ますが、勿体無いと思うのも正直なところです。

あと1~2ヶ月の継続で、改善する目途が付いてしまえば、体調良く生活出来るようになる可能性が高いと判断出来ます。
出来ることであれば、目安となる2~3ヶ月は服用を続けていただきたいと考えています。

この方は「問題なく治っていくだろう」と予想して治療を開始し、問題なく治療は完了しました。

当店での治療経験が最も多い病態であり、得意としている治療といえます。

何の問題点も見つからない治療経過であったため、個別のケースとして考察することは特にありません。


考察2

ご本人からは自律神経失調症を治療したいとのご相談でしたが、出てきている症状や症状が出てくる状況を考えるとパニック発作(パニック障害)とも言える病態でした。
広場恐怖や乗物恐怖もしっかりと出ていました。

当店は自律神経失調症とパニック障害を専門としていますが、実際は自律神経失調症の1つの症状としてパニックがあると考えています。

普段の体調は良いのに、突然パニック発作だけ出てくるという方はお会いした事がありません。必ず何かしらの体調不良を抱えており、そのほとんどは自律神経失調症の症状でした。

当店にご相談いただく自律神経失調症の方の多く(約8割ほど)にパニック発作が出ているというデータも持っています。

また、パニック障害でご相談いただいた方々に自律神経失調症の治療をしていくとパニック障害が改善していくことからも

パニック障害(パニック発作)は、自律神経失調症の症状の1つである

と考えているのです。

一般の方々には自律神経失調症とパニック障害は全く別の病気であると認識されていると思いますので、2つを併記して専門店とさせていただいています。厳密に言えば、当店は自律神経失調症の専門漢方薬局です。

もちろん専門店ですから、自律神経失調症もパニック障害も治療を得意としています。

お困りの方、お悩みの方、ぜひご相談下さい。


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