経験例49 パニック、予期不安、心臓が痛い、体の痒み 40代 女性 【 パニック障害の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

パニック症状
予期不安
息苦しい(過呼吸)
不眠
動悸
心臓の痛み
口が渇く
緊張感が強い
腹痛
下痢
胸の痞え感
胸焼け
肩こり
頭痛
後頭部の詰まり感
体全体の痒み

・食後に具合が悪くなることが多い
・動悸は安静時や就寝中などに数時間続くことも
・就寝中に息が詰まったり過呼吸が出る
・就寝中に症状が出ることが多く、寝るのが怖い
・夕方以降は不安感が多い

発端は20年以上前。仕事が激務のため不調は多かった。

その後、体調を崩して休職、復職後に出産で休職、会社を起こしてまた過労状態など体調は一進一退。

酷くなったのは8ヶ月ほど前。過呼吸と予期不安が出てきた。
心療内科を受診すると「睡眠障害」「うつ傾向」と診断。

安定剤と抗うつ剤を処方されるが、過呼吸・不安感・不眠はさらに悪化。医師に訴えると薬の量を増やされただけだった。不信感を持って薬を中止。

そこから数ヶ月で体調はさらに悪化。本を読んで栄養療法をしてみるも改善しない。近所の薬局で「パニック」と「下痢」の人にと「桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)」を勧められて服用。3週間ほど服用するも改善は見られず、どちらかと言えば悪化してきた。(#考察2

自力ではどうしようもなくなり、やっと見つけた「専門店」である当店に藁にも縋るつもりでとご相談いただいたとのことでした。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.眠りが浅い、不安感が強い、音が気になる、驚きやすい、パニックと 脳の過敏状態が強い

2.抑うつ感、憂うつ感、希死念慮、やる気が出ないなど 脳の疲労も強い

3.胸焼け、口内炎、口の乾燥、喉の詰まり、胃痛、胃部膨満感、下痢と便秘の繰り返し、呑酸、上腹部の痞え、食後だるい・眠いなど 胃腸の乱れは激しい

4.息苦しい、寒がり、手足の冷え、体がだるい、疲れやすい、手足が重い、動悸、頭痛、頭重、立ちくらみ、起立性調節障害、寝起きが悪いなど 脳を含めた全身での血流が低下している

パニック障害の方に見られる頭部(脳)での血流の低下はしっかりと出ている。
脳血流の低下による脳過敏状態であると判断。

痒みが出るなど、体での炎症・充血も強い状態でした。
胃腸の乱れが強く胃腸を整えていく必要性あり。

状態を分析していった結果、ご相談いただいた全ての不調に対して、原因が特定出来ました。

分かりやすい病態であったため、ほぼ確信を持って治療を開始しました。


治療経過

服用から1ヶ月目

就寝中の動悸・過呼吸がなくなった。ただただ驚いている。

頭痛はまだ出るが鎮痛剤の服用はしなくなった。

胃痛、胸焼け、ゲップがまだ多いが治ってくれればと期待している。

服用から2ヶ月目

過呼吸の発作もなく、不眠がかなり改善。

服用開始してからパニックが起こっていないことに気付いた。

食後の動悸やだるさは消えたが、胃痛はまだ残っている。その他は良好。

胃痛が気になるのであと1ヶ月続けたい。

服用から3ヶ月目

気が付けば胃痛を感じる事がなくなっていた。ただし、まだ食欲はあまりない。

パニックや不安感など精神的な症状はもう出てこない。

もうしばらく続けた方が良いだろうか?

服用から4~6ヶ月目

体調は良好。辛い症状が出てこない。

体質改善のため、しばらく続けたい。

6ヶ月目の服用中にご連絡が途絶えました。

4ヶ月後

調子が良かったので止めていた。

数日前から胃痛が起こるように。夜の動悸もまた感じるように。

以前のようなパニックが起こることはないが、このまま放置すると元に戻りそうな気がする。

また服用したい。

再服用から3ヶ月目

服用後から症状はすぐに軽減。調子の良い状態が続くように。

再発した原因を伝え、アドバイスをする。実践してもらうことに。

そのまま廃薬となりました。


考察

仕事が忙しく、生活のリズムが大きく乱れている方でした。
食事も不規則で胃腸への負担は大きいものでした。胃腸が乱れるのは当然の状況です。

仕事はどうにも替えようがありませんので、飲食についてはアドバイスに従っていただくことに。
アドバイスを実践していただいたこともあり、改善はかなり早いものでした。

1ヶ月でかなりの症状が改善。3ヶ月服用した時点でもう止めても良いだろうかと相談いただいたほどでした。

6ヶ月ほどで調子の良い状態で安定しました。本来なら、もう少しだけ服用を続けていただきたかったですが、ここで連絡が途絶えます。

廃薬にあたっては、その後の注意点などをお話するのですが、それをお伝えすることも出来ませんでした。

危惧していた通り、数ヶ月に再発。再発した原因を伝え、廃薬後の注意点をお話しました。

発症・再発の原因を理解せずに同じことを繰り返せば、必ず再発すると念を押しておきました。

再服用で安定後、無事に廃薬となりました。その後、再発の連絡はいただいておりません。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。

考察2

ご相談前に行われていた治療について。

まず、うつ傾向と診断されたことから「うつに効く」という栄養療法を始めたようです。

「飽食」とも言われる現代で栄養不足から「うつ」を起こす人はほぼいらっしゃらないと考えています。

栄養療法で改善しなかったのは当然だったと考えています。


その後、パニックと下痢という2点から「桂枝加竜骨牡蛎湯」を勧められたとのこと。
この方の体質には合っていないため、服用を継続されるとさらに体調は悪化していただろうと考えています。事実、たった3週間の服用中に悪化しています。

医師でも薬剤師でも、基本的に証(体質)の判断が出来ない方には処方を選ぶことは出来ません。
「パニック」や「下痢」など出ている症状で決めるのではなく、証(体質・不調の原因)から処方が決まります。

漢方薬の使い方を分かっていない方がこうして合わない処方を勧める(使う)と

「漢方薬には効果がない」

と、その方は感じてしまうことでしょう。
(漢方治療が広まらないのは、こうした良く分かっていない人たちが適当に処方を出し、効果をあげられていないためと考えています。)

医師や薬剤師であれば、漢方薬を理解しているはずと思われるかもしれませんが、9割以上の医師・薬剤師は正しく理解していないと思います。

現在、多くの医師・薬剤師がやっているのは「この症状にはこの処方」という決められた処方を出すことです。(症状別漢方)

これは西洋医学でよく見られる治療方法です。
(頭痛には鎮痛剤、吐き気には制吐剤、不眠には睡眠薬など)

1つの症状が必ず同じ原因から起こるのであれば、症状別漢方は成立するのですが、実際はそうではありません。

症状別漢方
・処方が合って効果があればラッキー
・効果がなくて普通
・処方が合わず体調が悪化したらアンラッキー

当店にも体質に合わない漢方薬を服用されて体調を乱している方の相談は多いです。

少なくとも漢方薬で治療しようと思えば、あなたの体質(証)をしっかりと把握しようとする病院・薬局にお願いして下さい。

治したい症状だけを聞いて、さっと処方を決める医師・薬剤師には要注意です。2~3症状を聞いただけで、その方の証(体質)を把握するのは不可能です。

もちろん当店では、その方の体質に合わせ、ご相談いただいた症状を治療していける処方を差し上げることが出来ます。

ぜひご相談下さい。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。