【漢方薬屋のひとりごと17】 男性更年期障害ってあるの?

こんにちは。

自律神経失調症専門のせいゆう薬局です。漢方薬の専門店でもあります。

今回のひとりごとは

についてです。

ここ10年ほどでちらほら診断を受ける方が増えてきている印象です。
もう少し前から診断名としては出てきていましたが、(医師の間での)認知度が上がってきているのかと思います。

それでは男性更年期障害について、ひとりごとを言っていきます。


まず、更年期障害と聞いて思い浮かぶのは、基本的に女性特有のものかと思います。

女性は、生理が始まり、生理が終わるという点で男性とは身体機能が大きく異なります。

生理が終わる「閉経」を挟んで数年から10年ほどの期間を更年期として区分しています。

更年期障害と言えば女性だった

これは子宮と卵巣を持つ女性に特有の期間であり、生理(排卵)が必ず加齢と共に停止することに起因します。
女性は身体メカニズム上、必ず更年期という期間を経る事になります。

ただし、この更年期という期間に更年期障害と呼ばれるような体調不良が出てくるかどうかはまた別の話です。

更年期は体調を崩しやすいと言えることは確かですが、何の体調不良もなく過ごせる方がいるのも事実です。

更年期だけど元気!

また、この更年期に出てくる(女性ホルモンの乱れによる)不調は漢方治療で対応していけるものでもあります。

急に宣伝ですが(笑)、もし更年期障害でお困りの女性は、いつでもご相談下さい。


では、男性更年期障害とはどんなものなのでしょうか?

男性にも男性ホルモンの分泌はありますし、加齢によって男性ホルモン分泌は変動していきます。

ただし、女性と違って閉経に類するようなものがありませんので、男性更年期とは事実上年齢による区分となっています。

一般的なイメージとして女性の更年期と同じように40代後半から50代後半を指すことがあります。
ただ、医学的な意味合いでは40代前半から70代までを指すこともあるようです。

明確な規定もありませんが、ざっくりと40代以降と考えて良いかと思っています。

40代以降は更年期

病態としては、男性ホルモンの分泌減少に伴う体調不良と定義されています。

つまり、男性ホルモンが血液検査の結果低下していることが確認出来ている上で、体調不良が出てきている時男性更年期障害という診断が下りるということです。


最近、ちょこちょこと耳にすることの増えた男性更年期障害ですが、おかしな診断になっていることが良く見受けられます。

体調不良があり、何が原因だろうかと色々と調べてみても、どこにも悪いところはない。
男性ホルモン値も異常という訳ではないが、基準値内ギリギリのライン。(結果的には正常値)

診断名をつけるとして、何にしようか、、、年齢はちょうど更年期か、、、

診断名どうしようかな?

よし、この人の病名はなんとなくだけど「男性更年期障害」だ。とされていることが多い印象です。


体調不良があり、調べてみると男性ホルモン値が基準値よりも下がっている。

診断名は「男性更年期障害」とする。(こう診断が下されること自体はおかしくありません。)

いざ、男性ホルモンを補充していく治療を行い、男性ホルモン値は正常になりました。

だけど、体調不良は全く良くなっていない。
つまり、体調不良の原因は男性ホルモン値とは関係なかった。(男性更年期障害ではなかった。)

基本的に診断のつけ方が適当なことが多いように感じています。どういうことが起こっているのか、次で解説していきます。


体調不良で病院を受診し、いろいろな検査を受けることは良くあります。

ただし、いろいろな検査を受けても特に異常は見つからなかったということも多いものです。

それでも医師は診断名を無理やり付けようとしてきます。
:患者側も診断名が付かないと納得しない人が多い。)

これまでは、どこにも異常が見当たらないのに体調不良を訴えてくる人には

などの診断を伝えられることが多かったように思います。

ここに新たに加わったのが

だと思われます。

不調を訴えているが特段検査結果に異常は見当たらない。

年齢的に更年期(40~70才頃)にあたり、強いて言えば男性ホルモン値が低値である。ということが診断根拠になっています。

年齢区分で診断名をつけているのではないかと思います。

更年期に入ると男性ホルモンの分泌は自然と低下していきます。男性ホルモン値が低下していくこと自体は自然なことです。

更年期でも元気

更年期という年齢区分にあり男性ホルモン値が低値であっても体調良く過ごしている人もがほとんどです。
男性ホルモンは全ての人で加齢とともに減少しています。
もし男性ホルモンが低くなると体調が悪くなるとすれば、全ての人に男性更年期障害の症状が出てくるはずです。


診断の実態としては、何か良く分からない不調が出ている時、年齢的に更年期と言える時期であれば「男性更年期障害」と診断しているように見えます。
男性ホルモン値が低いことは後付けの理屈のように感じています。(実際、基準値内でも診断されていることもあります。)

実際、自律神経失調症の専門店である当店には「男性更年期障害」と診断されて治療を受けている(受けていた)という相談は多く寄せられています。

症状や病態をお聞きしていると「自律神経失調症」の症状・不調であることがほとんどです。

更年期ではなく
自律神経失調症だった

同じような症状・不調を訴えている方は、10代・20代と若い方にもいらっしゃいますし、70代・80代と年配の方にもいらっしゃいます。

それなのに、40~60代の方に同じような不調が出ると「男性更年期障害」と診断される不思議。

とっても不思議

そして、当店に相談いただくことが多いということは男性更年期障害の治療を行ったのに、体調は良くなっていないということでもあります。

男性ホルモンを補充し、値は正常になったのに調子は悪いまま、、、ということは男性ホルモンは不調に関係していなかったと言えるものです。

目立った異常が見当たらないのに、体調不良を訴える方に付ける診断名として新たに加わったものが「男性更年期障害」なのではないかと感じているところです。


男性更年期障害と診断された場合、ひとまず男性ホルモン補充の治療は受けてみても良いとは考えています。もしかすると体調不良が回復する可能性があるかもしれません。

ホルモン補充治療で改善すれば、それで良かったという話になるだけです。

男性更年期障害と診断された方で治療してもなかなか体調が良くなっていかない方

自律神経失調症なのではないでしょうか?

自律神経失調症を疑いましょう

自律神経失調症では、身体症状から精神症状まで様々な症状が出てきます。

病院で検査をしても明確な原因が見つからず、原因が分からないからこそ(西洋医学では)治療のやりようがない難しい病気です。

西洋医学では難しい

病院で治療をしようと思えば、精神安定剤や抗精神病薬、抗うつ剤などでの対応になります。

自律神経失調症専門の漢方薬局である当店にご相談下さい。


実は今回の男性更年期障害の話は、女性における一般的な更年期障害でも同じようなことが起こっています。

年齢区分だけで更年期障害と診断されていることも多いです。

また別の機会でひとりごととして発信していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。