【漢方薬屋のひとりごと16】 タバコと自律神経失調症の関係

こんにちは。

自律神経失調症/パニック障害専門の漢方薬局、せいゆう薬局です。

今回のひとりごとは、たまにお客様からご質問をいただく

についてです。

など、喫煙者の方からご質問いただくことが多いです。

それでは始めていきます。


今回は結論からお話していきましょう。

タバコ(喫煙)は、自律神経失調症には影響しません。

タバコを吸っているから自律神経失調症になることはありませんし

タバコを吸っているから自律神経失調症が治らないということも特にありません。

意外と関係していないものです。


タバコに含まれるニコチンが血液の流れを悪くするような画像、動画を見たことがあるかもしれません。

たしかにニコチン自体は血管を収縮させることで血流を悪化させる作用を持っています。

ただし、その影響は基本的に「タバコを吸っている間」に限られるものです。

喫煙時に不快な症状は?

したがって、もしタバコ(ニコチン)による悪影響として症状が出てくるとすれば、喫煙時に不調が出てくることになります。

など、ニコチンが体内に取り込まれたことで瞬時に症状が出てくるはずです。
しかし、実際は喫煙でこうした症状が出てくることは極々稀なことです。

また、タバコを吸うと不調が出てくるのに、それでも喫煙を続けている方などほぼいらっしゃらないことでしょう。

タバコは自律神経失調症に関係しているの?と質問してくる人は、関係しているか分からないからこそ質問をしてきているかと思います。

タバコを吸っても特に不調を感じていることはないのかと思います。


タバコに含まれるタールは、肺に付着し肺の細胞を破壊していきます。
肺の機能が低下していくことで息切れ・息苦しいなどの呼吸器症状が出てくることがあります。

自律神経失調症でも息切れや息苦しさが出てくることはありますが、喫煙によって出てくる症状とは違います。

自律神経失調症で出てくる症状は、機能性疾患です。

肺自体に問題はない

肺や気管支、横隔膜などの臓器自体に問題がある訳ではなく、臓器の働き(機能)が乱れて出てきています。


一方、喫煙による症状は器質性疾患です。

肺自体に問題がある

肺そのものに異常があるために症状が出てきています。

最近ではCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病名もつけられるようになってきています。

もし喫煙されている方で息切れ・息苦しさが出てきている場合には、呼吸器科などを受診して肺自体に異常がないかは確認しておきましょう。

検査の結果、肺に異常がないと診断された場合には、自律神経失調症である可能性が高くなります。


当店では、タバコについての質問をいただいた際には

とお答えしています。
(もちろん、喫煙時に不調を伴うような時には中止が必要です。)

喫煙者に急にタバコを止めろと言っても難しいことは理解しています。

また、禁煙することでのストレスが自律神経失調症の治療に悪影響を及ぼす可能性もあると考えています。

自律神経失調症の治療では、精神的ストレスの有無は大きく影響してきます。

禁煙がストレス

精神的なストレスが強い状況で漢方治療をしていくと改善していくのに時間がかかります。

一方、ストレスがない(少ない)状況で治療をしていけば、ストレスが強い状況に比べて早く改善していきます。

自律神経失調症を治療していくという意味では、禁煙というストレスがない方が治療が進めやすいのです。


自律神経失調症の治療にあたっては、タバコは止める必要はないと結論付けていますが

タバコが百害あって一利なしということは間違いない事実です。

今は目に見えるような不調・異常が確認されていなくても、将来的に悪影響が出てくる可能性は高くあります。

タバコが身体的・精神的に良いということは全くなく、人生における体調・健康を考えた際には絶対に止めた方が良いものです。

止めた方が良い

既に喫煙してしまっている状態で自律神経失調症の治療をしていくという意味では、無駄なストレスをかけたくないのでそのまま喫煙で問題ないのですが
そもそも禁煙するとストレスをかけることになってしまっているのは、喫煙を始めてしまっているためです。

喫煙していることで「禁煙することがストレスになってしまう」という状態になっているだけで、喫煙することでリラックス出来ている訳ではありません。

タバコは自律神経失調症には関係しませんが、止めた方が良いものであることには変わりありません。

将来的には必ず禁煙を

耳の痛い話かもしれませんが、タバコとの付き合い方にはどこかの段階で向き合っていきましょう。

今回のひとりごとは以上です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。