【漢方薬屋のひとりごと5】 体温調節が出来ない?熱感と冷えが混在する人

こんにちは。自律神経失調症/パニック障害専門のせいゆう薬局(漢方薬専門店)です。

今回のひとりごとは

です。


自律神経失調症では、良くみかけるタイプです。

熱と冷えという相反する状態が両立して存在するのか?
と疑問に思うかもしれませんが、普通にあります。たくさん居ます。


簡単に解説をしていきたいと思います。

例えば、

など、熱感と冷えが同時に存在したり、季節によって熱感が強くなる、冷えが強くなるというような
体温調節が出来ないと感じている方は一定数いらっしゃいます。

こうした方々は、まず前提として熱の生産が高い状態にあります。

わたしは冷えを強く感じるタイプだから、熱の生産が高い訳がない」と反論されることも多いですが、熱と冷えは共存することがあるということを理解されていないだけです。

体内では、熱の生産はしっかりと出来ていても、血流が悪い方ではこの生産した熱を血液に乗せて身体の隅々にまで送り届けることが出来ていません。体内で熱の偏り(偏在)が起こっているのです。

特に体表部での血流が悪いと冷えを感じることが多くなります。
熱の生産が高くても、血流が悪いと冷えを感じることがあるということです。

このような状態の方が、何かのきっかけで血流が良くなると体内で生産された熱が全身に行き渡るようになります。
この時、生産されている熱が適切な熱量であれば良いのですが、熱量が大きい方ではほてり・のぼせ感が強くなったり、熱感、微熱感といった不快感を伴う症状として感じられるようになります。

血流が良いこと自体は喜ばしいのですが、不快感を伴うようであれば熱症状として治療が必要です。

体温調節が出来ないという方のほとんどは、熱感を持ちながらも血流が悪いことで冷えを感じていらっしゃいます。
熱感を抑えながら、血流を良くしていくことで治療は可能です。

血流が悪い方は全身に様々な不調(血流低下症状)を抱えていることも多いです。体温調節が出来るように治療をしていくことは、血流を良くしていくことでもあります。体調が良くなっていくように感じられるかと思います。


余談ですが重要なことにも言及しておきます。

冷えを感じていても熱の生産がしっかりと出来ている方は、漢方医学的には「冷え性(寒証)」ではありません。

世間一般では「冷えを感じる」=「冷え性」となっていますが、少なくとも漢方医学的には間違った考え方です。

冷えを感じることが必ず冷え性とは限らない。この点はとてもとても大事です。

間違った解釈のもと、冷え性の対策をしてかえって冷えを強くしてしまっている人などは良くみかけます。冷え性対策をしてもなかなか冷えが改善しない人も多いです。
ご自身の状態について正確な判断が出来ておらず、間違った対策をしてしまっているということです。
自分が本当に冷え性かどうかも理解出来ていない状態です。

それに加えて
冷え性にはコレ」といった対策・健康法・食べ物・サプリメント等を推奨している人(医師や薬剤師など含む)、メディアなどを良くみかけますが、本当は冷え性ではない人には決して勧めてはいけない方法を推奨している場合もあります。

コレ(冷え対策)をしたら体調が悪くなる人いっぱいいるだろうなと思いながらいつも見ています。
発信する側も、情報を受け取る側も正確な情報を知らないというのは怖いことです。

「冷え性」については、また改めてひとりごととして別に呟いていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。


熱感と冷えが共存することは自律神経失調症では良くあります。

お悩みの方はご相談下さい。