経験例75 高速道路で不安感が出る 50代男性 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

高速道路の運転中に不安感が出る

発症は30年前。20代に入りたての頃。

以前は毎日飲酒をしていたが、今は週に1~2回飲んでいない。断酒したこともあったが症状に変化はなかった。

仕事で高速道路を運転することがあるが乗る度に不安感が出る。

高速道路以外では不安感が出ることはない。下道も問題ない。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.微熱感、発赤しやすい、のぼせ、顔が脂ぽい、顔が赤くなりやすい、目の充血、口内炎、緊張感が高い、イライラ、多怒など 心身の興奮状態が出ていました。ただし、それほど強い症状ではありませんでした。

2.頭痛、疲れやすい、身体がだるい、目が疲れる、頭重感など 頭部を中心に血流が低下しています。

3.多夢、熱理が浅いなど 脳の過敏状態は出ていますが、あまり強くはありません。

4.食欲はあり、美味しく食べられると胃腸に大きな乱れはありません。ただし、胸焼け、口臭、口が苦いなど、消化液の多い状態が見られます。胃腸にも多少興奮状態にあると判断しました。

寝不足の時、二日酔いの時、疲れている時には症状が酷くなる傾向あり。

血圧は高めだが、投薬治療には至っていない。

コーヒーが好きで毎日飲んでいる。


日常生活においては、あまり不調、特に不安感などの精神過敏症状が出てくることはない。

下道の運転でも問題はなく、高速道路でだけ出てくるという情報は大きなヒントになります。

細かい情報まで精査し、不安感が出てくる原因は特定できましたので治療していきます。


治療経過

服用から1~2ヶ月

あまり高速道路を運転する機会もなかったが、変わらず不安感は出てきている。

服用から3~4ヶ月

この間、高速道路を運転する機会がなかった。良くなっているのか確認出来ない。

服用から5ヶ月

久しぶりに2区間だが高速道路に。少し違和感はあったものの、不安感なくクリア出来た。

服用から6ヶ月

この1ヶ月、高速道路を運転しなかった。仕事以外でも乗ってみようかと思う。

服用から7ヶ月

調子の良い日に高速道路を1時間運転してみた。明らかに以前よりも良くなっている。

服用から8ヶ月

1ヶ月振りにまた高速道路に。今回は100㎞運転。

後続車がいる時だけ少し違和感はあった。それ以外は問題なし。

服用から9ヶ月

高速道路を運転。目的地まで何の不調もなくたどり着いた。かなり自信が付いてきた。

服用から10ヶ月

自信が付いたので、今月は何度も高速道路を運転した。何も問題なし。嬉しい。

服用から11~12ヶ月

この間も何度も高速道路を運転したが、不調無し。問題なさそうなので廃薬してみる。

当店:不調の出てこない調子の良い状態が3ヶ月ほど続いています。廃薬で問題ないと判断しました。
その後も再発したとのご連絡はいただいていません。


考察

不安感は脳の過敏状態から出てくる症状です。

脳の過敏状態は、脳での血流が低下し、不足すると出てきます。

この方は運転中、特に高速道路を運転する時にだけ不安感が出てくるようです。
つまり、高速道路を運転する時だけ、脳での血流が低下してしまうということです。

運転中は脳がフル稼働しています(目を使う・状況判断する等)ので、血液の消費量が多くなっています。
スピードを出していることで緊張感も高まっていることでしょう。

このあたりが不安感に出てくるポイントがあると考えていきます。

あとはこの状況で血流が悪くならないように、また普段からの血流も良くしてあげることで日常的な体調もより良くしていきます。


高速道路の運転中だけに限らず、トンネルが怖い、夜に運転出来ない、右折レーンに並べない、信号停車が出来ない、渋滞が苦手など、車の運転に関係する不調は良くご相談いただきます。

高速道路の運転中に不調が出てくることは運転に関する不調としてはメジャーな部類です。
治療経験も多く持っています。特に治療は難しくないと考えています。

この方の症例での一番の特徴は、この不調が30年前から続いていたこと。
それが1年ほどで完治している点です。

30年も続いた不調が1年で改善されるのは、大変大きな変化です。
不調が長期間続くほど、病気の根は深く、治療には時間がかかることの方が多いものです。

1年で治療が終わったことは、比較的早かったと当店としても感じています。
1年半から2年ほどを想定するところです。嬉しい誤算とも言えます。
回復力が強かったこともありますし、改善のためにお願いしていた飲食の節制も頑張っていただけたためとも考えています。

20~30年と不調が続いているとご相談いただくことは少なくありません。
こんなに長く続く不調だからと特に気にせず治療に取り組んでいけるのが漢方治療の良いところです。
実際、不調期間の長い短いは、治療の可・不可に関係しません。(治療期間の長い・短いには多少影響します。)

当店としては「治療出来ると思います」と軽くお話していくのですが、ご相談いただいた方の方が半ば諦めてしまっていることが多いほどです。
治療に取り組んだ後には、こんなことならもっと早く治療をしておけば良かったとおっしゃられる方も多いです。

不調期間の長い・短いは気にせずにご相談下さい。長く不調が続くと不調が出ている状態に慣れてしまっているかもしれませんが、やはり不調はない方が良いことに間違いはありません。治療はしていけると考えています。

もちろん、今回紹介したような高速道路の運転中に不安感など、不調が出てくるという方はご相談下さい。
お力になれると考えています。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。