経験例71 失神(神経調節性失神)、めまい、頭痛 小学生 男の子 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。連絡については、基本的にお父さまを介して行っています。

めまい
頭痛
神経調節性失神(NMS)

1年前の春、遠近感のおかしくなるようなめまいが起こる。

その後、度々頭痛が起こるようになり、2ヶ月に1度くらいの頻度で意識を失いそうになるめまいを訴える。

翌年8月(相談1ヶ月前) 自宅での安静時、急なめまいを訴え、意識を消失する。わずかな間だが呼吸も停止。幸い1~2分で意識を取り戻す。この大きな発作以降にも、めまいを訴えることあり。

病院の検査では脳や心臓などのどこにも異常は見当たらず、最終的には神経調節性失神という診断がおりた。ただ、特に有効な治療手段がある訳でもなく、治療無しの経過観察となる。
医師からは、何らかの理由で脳に血液を十分に回せていないとの指摘あり。

そんな中、当店サイトをご覧いただき、息子さんの不調は頭部での血流の低下によるものであろうと確信したとのこと。

上記の症状以外にも、音や声が気になる、予期不安、ヒステリー、意識が遠のく、めまい、フワフワ感、頭痛、胸が痛いなど、自律神経系の不調はしっかりと出ている。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.体のほてり(就寝前)、寝汗、イライラ、多怒、ヒステリックなど 心身の興奮状態は出ています。特に脳の興奮状態は強い様子

2.頭痛、寒がり、足が冷える、疲れやすい、身体がだるい、目が疲れる、頭がボーっとする、立ちくらみなど 全身で血流が低下している状態

3.不安感、恐怖感、焦燥感、聴覚過敏、など 脳の過敏状態が出ている

4.食欲もあり・美味しく食べれる、便通問題なし 胃腸の状態は良好です。

意識の消失やめまい、頭痛などは、自宅でのリラックス時にも出てきていましたので、症状の根本原因として精神的なストレスや脳の興奮状態は直接的には関わっていないことが分かっています。
精神的ストレスを緩和したり、脳の興奮を鎮めていっても症状は軽減していかないと判断しました。

胃腸の状態は良く、その他、身体機能の乱れは特に見当たらない状態でした。
ただ純粋に「血流が低下している」という情報だけが得られている状況です。

血流を低下させる原因となるものが明確には見つからなかったのですが、出てくる症状や症状が出てくる状況などから、当店の治療経験による予測補正を行い、原因を推測していきました。

その結果、治療していくべき不調の原因(治療目標)が定まりましたので、治療を開始していきます。

今回の場合、原因の分析特定に推測が入っているため、実際に治療を開始することで検証をしていきます。


治療経過

服用から1ヶ月

まだ特に変化は感じられない。先日は、ひどいめまいが出てきた。

服用から2ヶ月

先日、失神を伴う発作がまた出てきた。

再検査の結果、病院では「てんかん発作」の可能性が非常に高いと診断された。

まだ自律神経系の失神である可能性も捨てきれないため、てんかんの治療には入らず、もうしばらく様子をみることになった。

(母談)失神やめまいとは関係ないが、感情の起伏は小さくなってきた。この点は喜ばしい。

とりあえず、漢方薬もあと1ヶ月続けてみる。

服用から3ヶ月

その後、少なくとも失神を伴うような発作はなし。たまにめまいが出てくる程度。めまいの頻度は明らかに減少している。

たまたま症状が落ち着いているだけなのか、漢方薬の効果が出ているのかの判断が難しい。

(当店)少なくともめまいが減少しているのであれば、頭部(脳)での血流が良くなってきていると判断出来る。出来れば、もう少し続けてみるようにと提案した。

服用から4ヶ月

その後も失神発作はなし。てんかんである可能性はほぼ無くなった。

失神についてはまだ心配しているが、頭痛やめまいはほぼ解消し、体調全体としても良い状態。

服用から5ヶ月

その後も失神発作は出てこない。だいぶ安心出来るように。

めまい、頭痛も問題なし。そろそろ漢方薬も中止してみようかと考えている。

(当店)まだ体調としても完全に安定した時期とは考えていないので、もう少しだけ続けてみてと提案。

続けてみることに。

服用から6ヶ月

体調良好。もちろん失神が起こることもなく、今の調子がずっと続いてくれれば良いと思っている。

ここで連絡が終了

ここでお客様からの連絡は途絶えました。良い状態になったので、廃薬されたのかと考えています。

廃薬するタイミングとしては特に大きな問題なかったと考えています。

慎重に進めていくとすれば、あと2ヶ月ほど服用されても良かったかなという程度です。

その後、元気に不調無く過ごしていただけていれば幸いです。


考察

失神という症状は、自律神経失調症としては珍しい症状に分類されます。

ただし、基本的には脳血流の低下による症状であり、めまいやふらつき、意識が遠のくといった血流低下症状と同系統に分類されます。脳血流の低下が著しく出てきた症状と考えて良いのかと思います。
珍しくはあるが症状としては出てきても可笑しくないものと考えています。

途中、病院からはてんかん発作の可能性も示唆されていましたが、結局のとのころてんかんの治療は行わず、改善していった経過を考えるとやはり脳血流の低下による症状と考えて良いかと思います。
頭痛やめまいなど、他の頭部での血流低下症状がしっかり出ていたこともこの考察を補完してくれていると考えています。


このお子さんの病態分析では、血流の低下原因が明確ではありませんでした。

年齢と出てきている症状、出てきているタイミングなどから、おおよその原因を絞り込み、治療に入っていく流れとなりました。

こうした治療のやり方は、治療経験をたくさん持っていなければ出来ないことと考えています。
特に当店は、自律神経失調症を専門としているため、多くの病態・症例を経験しています。
治療を行えば行うほど、より多くのデータが手に入り、より正確な分析と治療が行えるようになっていきます。

ご自身の不調で、周りの人では聞いたことのないような症状が出ていたとしても、当店では良く扱うような症状かもしれませんし、治療経験のある症状かもしれません。
特に病院での治療に行き詰まるようなことがあれば、いつでもご相談下さい。


このお子さんの治療では、頭部(脳を含む)での血流を良くしていくことが主目的となりました。

失神という強い脳血流の低下症状の前段階として、頭痛やめまいが出てきていたと考えて良いでしょう。

漢方治療によって頭痛やめまいをしっかり改善出来たこともあり、頭部での血流は改善した状態にあると考えています。
ベースとなるような血流が良くなっていれば、失神を起こしてしまうような強い血流の低下が起こることはほぼ考えられません。

今回は病院にて、神経調節性失神(NMS)という診断名がついた治療ではありますが、脳血流の低下に起因する意識消失発作という意味では、どのような失神でも漢方治療対応は可能かと考えています。
失神は西洋医学的には細かい分類がなされていますが、一方で明確な治療法が西洋医学にはないように感じています。

失神を発症した際には、何かしらの脳・循環器疾患がある可能性も否定は出来ませんので、まずは病院の受診が必要とは考えています。
病院での治療が可能であり、そのまま改善していくようであれば、それに越したことはありません。
もし原因が分からなかったり、病院での治療が思うように進まないような経過があれば漢方治療の出番かと思います。

似たような症状のご相談をお待ちしております。当店は脳血流の低下の治療を得意としています。



ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。