経験例64 運転中の手・腕・足の震え、動悸、めまい 30代 女性 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

(運転中に)手・腕・足の震え
動悸
めまい
手足に力が入らない
パニック
不安感
頭痛
便秘と下痢
おへその周りの硬さ
胃の膨満感

・生理前に悪化
・生理中の腹痛は激しい
・鎮痛剤を服用すると必ず胃腸が悪化
・手腕足の震えは車の運転中に多いが、何もない時にも起こる

以前からあったが、ここ1年くらいで酷くなった。

今回酷くなる前には強い精神的ストレスはあった。

病院からは安定剤と胃薬をもらっているが、ほとんど効果は感じていない。

病院を変える度に、自律神経失調症、パニック障害、適応障害など診断名が変わった。

1日2~3個のアイスが止められない。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.頻脈、頭痛、手足の冷え、全身の冷え、体がだるい、疲れやすい、日中眠い、目がしょぼつく・かすむ・疲れる、光が眩しい、動悸、息苦しい、息切れ、体が重い、ふらつき、手足の震え、ろれつが回らない、立ちくらみ、頭重、頭がボーっとする、肩こり、首こりなど 頭部を含めた全身での血流の低下が強く起こっている

2.イライラ、怒りが強い、緊張感が強い、抑うつ感、憂うつ感、目の充血、顔が脂ぽい、急な熱感など 心身の興奮状態は強い。

3.口が渇く、舌先の痛み、胸焼け、歯茎が腫れやすい、口臭、呑酸、口が苦い、吐き気、嘔吐、美味しくない、食後だるい、食事量が入らない、下痢、水様便、胃が張る、お腹が張る、上腹部の痞え感など 胃腸にも強い乱れが出ている

4.不安感、恐怖感、焦燥感、音が気になる、眠りが浅い、夢が多い、パニックなど 脳の過敏症状も強く出ている

車の運転などで精神的緊張がかかると「手・腕・足に震えが出てくる」状態でした。
精神的な緊張から血管が収縮し、血流が低下していることが分かります。

ただし、この精神的な緊張はあくまでも血流を悪化させる一因に過ぎず、大元の血流を悪くしている原因は、身体機能の乱れにありました。

胃腸の強い不調から、胃や腸の筋肉の緊張・収縮状態が出ていました。
胃部膨満感、おへその周りの硬さ、便秘と下痢」などはこれが原因です。

頭痛、めまい、動悸」と頭部から全身にかけての血流の低下も見られます。

脳での血流が低下し「パニック、不安感」といった脳の過敏症状も出ています。

過度な緊張感を鎮めながら、血流を低下させている原因を治療していきます。
胃腸には強い乱れがありますので、胃腸を整えていくことも必須です。

胃腸が乱れているのは、胃腸の状態に合った飲食が出来ていないためでもあります。
飲食の指導もしていきます。


治療経過

服用から1ヶ月

仕事上のお付き合いで会食・飲みを断れず、飲食の乱れがどうしても直せない。

胃部膨満感はもちろんまだ変化なし。手足の震えや動悸にも変化はない。

PMSが前よりも酷くなったような気もする。

服用から2ヶ月

便秘と下痢を繰り返していたが、このところ毎日便が出るようになった。

手足に力が入らない感覚はまだあり。何もないのに震えたりもするが、前よりは少しずつ減ってきている気はする。

車の運転中にくる突然のパニック、手足の震えは明らかに減った。

安定剤は1日3回必ず服用していたが、飲んだり飲まなかったりと服用頻度は減っている。

服用から3ヶ月

胃の膨満感あり。便通は毎日で固定されたが、それでもまだ残便感がある。お腹の張りも気になる。

手足に力が入らないのは、軽減はしているがまだまだある。

運動が少しずつ出来るようになったのは嬉しい。

生理時の腹痛も軽減。鎮痛剤を服用することも減り、胃腸を崩しにくくなった。

服用から4ヶ月

風邪を引いたことで体調は不安定だった。

口内炎が大量に出来、さらにヘルペスまで出来た。

胃腸の状態が整ってくると、どうしても飲食が乱れてしまう。飲食が乱れるとまた胃腸の状態が悪化。反省している。

精神状態はだいぶ安定してきた。たまにパニックや不安感が起こる程度。安定剤の服用で凌げている。
安定剤の服用頻度はさらに減っている。

服用から7ヶ月

仕事が極端に忙しくなり、2ヶ月ほど漢方薬を服用出来なかった。

朝昼夕と食事もままならず、寝不足も続いていた。

手の震え、足に力が入らない、胸の圧迫感など、元の状態に戻ってしまった。

服用から8ヶ月

服用を再開して1ヶ月、まだパニックが出てくる。

体調全体としては、やっと少し上向いてきたかなという程度。

服用から9ヶ月

お腹を壊すことは減った。

ただ、胃腸が良くなってくるとどうしても飲食が乱れる。
何度繰り返すのだろうかと反省している。

服用から10~14ヶ月

この間、精神的には少しずつ安定していく。

胃腸に不調が出る度に、どの食事内容・量が悪かったのかを徹底的に振り返っていきました。

これを食べると胃腸が乱れる、このくらい食べると胃腸が乱れるということを意識的に覚えていきました。

飲食が整っていくことで、少しずつ胃腸も安定していきました。

服用から15ヶ月

胃腸の不調はたまにしか出てこない。何か不調が出た時には飲食に気を付けるとすぐに治まる。

一番困っていた運転時の手・腕・足の震えは出てくることはなくなった。

パニック、不安感はしばらく出ていない。安定剤を飲むことがなくなっている。

まだ胃腸の不調があるため、もうしばらく服用を続けていただきたかったのですが

ご本人としては十分に安定していること、経済的な理由もあり、今回で廃薬となりました。


考察

一番お困りだった症状は、車の運転中に突然出てくる「手・腕・足の震え」でした。

この症状だけ単体で見ると、(車の運転による)精神的緊張からくる血流低下による筋肉の痙攣と言えます。

ただし、この症状以外にも頭痛やめまい、動悸など血流の低下症状は日常的に起こっていました。

日常的な血流の低下に加えて、精神的緊張による血流の低下が重なることで運転中の「手・腕・足の震え」が出ていました。

したがって、精神的な緊張を緩和することだけではこの症状は改善していきません。

大元である血流の低下状態を改善してあげることで、多少精神的緊張がかかり血流が低下することがあっても、症状が出てこなくなると考えました。

もちろん、治療の上では精神的緊張を緩和する配慮は行いました。


また、精神的緊張が高まった生活をされている上に飲食は乱れた状態にありました。
胃腸の乱れは大きく、多くの胃腸症状が出ていました。

漢方薬の服用で胃腸は整っていくのですが、胃腸が整うと飲食が乱れてしまい、また胃腸を乱してしまうという繰り返しが幾度もありました。

無意識の内に飲食が乱れていること、間違った健康情報による知識 (〇〇がこの症状に良い等) なども災いしていました。
どうしても飲食の乱れを繰り返してしまうため、1日3食の食事内容、それ以外にも口にするもの全てを記録していただき、振り返って検証することもありました。

飲食が整ってからは、胃腸も順調に整っていきました。
治療を中止される頃には、ご自身にとってどんな飲食が良いもので、どんな飲食が悪いものか十分に理解されておられました。

廃薬後も飲食に注意した生活を続けておられるとすれば、調子の良い状態で生活されているのかと思います。


精神的な緊張がきっかけとなるような症状であったとしても、大元の原因が精神的緊張であるとは限りません。

精神的緊張が症状を強くしているだけである可能性も十分にあります。
リラックスしている時、特に緊張もないような時にも何か不調が出るとすれば、精神的緊張はあくまでも悪化の一因と言えることでしょう。

同様の症状でお悩みの方、また、自律神経失調症やパニック障害でお悩みの方もぜひご相談下さい。

あなたの体調を良くしていくお役に立てると考えています。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。