経験例52 心臓が締め付けられる、そわそわ、ドキドキ 30代 女性 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

不安感
ソワソワ感
ドキドキ感
ザワザワ感
ジェットコースターで落下する感覚
心臓が締め付けられる
手足の末端が冷たい
 (酷い時には感覚がなくなる)
寝ている時に力が入る
肩・背中のコリ
頭痛
マイナス思考
肌荒れ(ニキビ)

・こうしなければならないという制約があると症状が悪化する
・温泉などに入ると目の前が突然真っ暗になる、目が空けられなくなる

発症は高校1年生の頃

年に1度、夏に食欲がなくなり食べられなくなる。
空腹感はあるがムカムカが強い。

思えば中学生の頃から、起床時のムカムカがあり朝ご飯を食べられなかった。
朝食は大事なもの、食べなければと思うほどに苦痛が強くなった。
昼食からは食欲が旺盛に。

デパスを毎日服用中。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.不安感 はあるが、その他の脳の過敏症状は少ない

2.イライラ、怒りが強い、ヒステリックになるなど 脳の興奮状態は強い

3.吐き気、胸焼け、胃が張る、お腹が空かない、食事が美味しくない、食べたくない、上腹部の痞え、胸苦しいなど 胃腸の乱れは激しい

4.息苦しい、手足の冷え、体がだるい、体が重い、動悸、目が疲れる、目がかすむ、頭重、頭がボーっとする、寝起きが悪いなど 脳を含めた全身での血流が低下している

5.生理痛やPMSは強いようではありましたが、低用量ピルを服用して抑えているとのこと

不安感がメインのこの方は、一見パニック障害のようにも見えました。しかし、他に強い脳の過敏症状が確認出来ません。

ソワソワ感、ザワザワ感、ドキドキ感は精神症状ではなく、胃腸症状と判断しました。
食道付近の胃腸症状をこのような精神症状に似た胸部の違和感・症状と感じる方も多いのです。

「寝ている間に力が入る」のは緊張感が高すぎるため。脳の疲労状態が強いので「マイナス思考」も出ています。
「手足の冷え、頭痛、肩背中のこり」は血流低下による症状。
「ジェットコースターで落ちるような感覚」とは、胃腸が浮くような麻痺感覚として捉えました。
「ニキビ」が出ているので、体の炎症や充血にも対応が必要です。

飲食の状態も鑑み、原因が特定出来ました。治療を開始していきます。


治療経過

服用から10日目

自分では気付かなかったが、母が言うには「髪の抜け毛が減っている」とのこと。

良い兆候なのだろうか?

服用から15日目

体調はなんとなく良くなってきている気がする。

起床時のムカムカが軽減してきた。

漢方薬が合っているように思う。このまま続けたい。

服用から1ヶ月目

胃の状態が少し良い。ただし、まだふらふらが強い。

服用から2ヶ月目

ムカムカが消失。それに合わせ、ソワソワ感、ザワザワ感、ドキドキ感が消失。

不安感が軽減し気にならないようになった。

デパスの服用が1日おきで済むように。

服用から3ヶ月目

ほとんどの症状が改善。精神症状は出ていない。

まだ胃痛などがある。

この3ヶ月目の服用中にご連絡が途絶えました。

5ヶ月後

調子が良かったので止めていた。精神症状は改善した後には出ていない。

キリキリした胃痛、肩こり、吹き出物が再発。また服用したい。

このままでは再発するのではないかとご連絡がありました。

再服用から2ヶ月目

再服用後からすぐに調子の良い状態が続くように。

本来であれば、もう少し服用を続けていただきたいと思うのですが、

ここで連絡が途絶えました。
調子が良いので再び中止されたのかと思います。

その後の連絡はありませんが、調子良く過ごされているのかと思います。


考察

不安感、ソワソワ感、ザワザワ感と脳の過敏状態を連想させる症状の方でした。
しかし実際はソワソワ感やザワザワ感、ドキドキ感は胸部の嫌な感覚・違和感であり、胸苦しさに似た症状としての治療となりました。

胃腸の強い乱れから、胸部の症状を精神症状のような感覚で受けられる方も多いものです。
この方の「心臓が締め付けられる」という感覚も同様に胃腸の乱れに関連したものでした。
(全ての方がそうである訳ではないので注意が必要です。)

胃腸が強く乱れ、それに合わせた飲食が出来ていない方でもありましたので
状態に合わせた処方の服用とともに、飲食についてもアドバイスをしていきました。

高校生の頃からということで、20年近く悩まれてきた症状ではありますが服用から1~2ヶ月でほぼ改善していきました。

早い段階から適切な治療を受けられていれば、これほど長い期間不調に悩まされずに済んだことでしょう。
とは言え、漢方治療に出会わなければ、この先20年・30年と不調が続いていった可能性もあります。

不調があれば、早い段階から治療を始めるに越したことはありません。


この方の場合、低用量ピルを服用されているため、生理(女性ホルモン)の乱れは確認出来ませんでした。
正確な情報が得られないために生理に関する治療は行いませんでしたが

通常の当店の治療では、生理(女性ホルモン)の状態に合わせた治療を行っていきます。

低用量ピルの服用がなければ、生理痛やPMS症状が治療と共に軽減していくことを確認していただけたことでしょう。
(低用量ピルを服用されていると、女性ホルモンの本来の状態が分からないため、治療の手をつけられないという側面があるのです。)

治したい症状以外の体調も良くしていけるのが、漢方治療の大きな利点と考えています。

今回の治療例と同様の症状でお悩みの方、ぜひご相談下さい。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。