経験例26 漢方治療中に妊娠、出産された20代 女性 【 自律神経失調症の治し方 】

ご相談の方は20代半ばの女性の方である。小さいときからあまり強いほうではなかった。大学に入学したころから、体調が乱れ始めたために、漢方治療をお求めになられた。

小さいときから、体調を乱しやすい方は偏虚体質(虚弱体質)か、偏熱体質(自律神経を亢奮させやすい体質)のどちらかである。この方の場合は後者であった。この場合、肝気欝結証(かんきうっけつしょう)が基盤となりやすい。この方の詳細な分析から、肝気欝結証が熱転化した肝欝化火証(かんうつかかしょう)であることがわかった。そこで、この病態の漢方治療を始めたが、治療の途中で、妊娠がわかったために、急遽、胎児の健康を考え、安胎薬(胎盤を成熟させることを目的とした生薬群)を中心とした処方に転方した。妊娠中にはつわりが出たり、切迫流産の危険が増したりしたが、何とか無事に40週を越え、出産を待つばかりとなった。そして、2010年3月6日に次のようなメールを戴いた。全文を載せます。

赤ちゃんの画像

まやちゃん

「3/4の22:07に2,852g、48.8センチの女の子を出産しました。いろいろあった妊娠期間が嘘のような安産で助産婦さんに100点満点をいただきました。 3/4の19:30に入院、分娩室では約30分で誕生しました。何と入院から、2時間半の超スピード安産でした。 分娩経過が早すぎて、骨盤と尾てい骨に激痛がありますが、とにかく無事に生まれて本当によかったです。 かわいくてたまりません。どうもありがとうございました。」

漢方薬を服用されると胎盤が成熟するために、赤ちゃんは健康に育ちますし、母体への負担もかなり軽いようです。また、この方のように、安産になることがほとんどです。妊娠がわかった時点で安胎薬を中心とした漢方薬を服用されることはとても良いことだと思います。