ご相談の方は20代半ばの女性の方である。小さいときからあまり強いほうではなかった。大学に入学したころから、体調が乱れ始めたために、漢方治療をお求めになられた。
小さいときから、体調を乱しやすい方は偏虚体質(虚弱体質)か、偏熱体質(自律神経を亢奮させやすい体質)のどちらかである。この方の場合は後者であった。この場合、肝気欝結証(かんきうっけつしょう)が基盤となりやすい。この方の詳細な分析から、肝気欝結証が熱転化した肝欝化火証(かんうつかかしょう)であることがわかった。そこで、この病態の漢方治療を始めたが、治療の途中で、妊娠がわかったために、急遽、胎児の健康を考え、安胎薬(胎盤を成熟させることを目的とした生薬群)を中心とした処方に転方した。妊娠中にはつわりが出たり、切迫流産の危険が増したりしたが、何とか無事に40週を越え、出産を待つばかりとなった。そして、2010年3月6日に次のようなメールを戴いた。全文を載せます。
漢方薬を服用されると胎盤が成熟するために、赤ちゃんは健康に育ちますし、母体への負担もかなり軽いようです。また、この方のように、安産になることがほとんどです。妊娠がわかった時点で安胎薬を中心とした漢方薬を服用されることはとても良いことだと思います。