発病の経過と症状
運動中に強いめまいを起こして倒れた。病院で目眩の薬をもらって飲んでいたが、半年後に余計に悪くなり、かつ、胃の調子も悪くなったために、病院の薬を勝手にやめた。朝食は特に食べたくない。また、体がだるく、目が動きについていっていない。
弁証
・八綱弁証:裏証である。体は疲れやすくて、元気がないことから虚証である。また、「口内炎ができやすい」ことから熱証である。総合的には陽証であると判断された。
・気血弁証:この方は虚証ではあるが、水分をかなり飲んでおられることから実証でもある。虚実挟雑証と判断される。
・五臓弁証:「食欲不振・胃がつかえている」ことから脾胃に病位があることがわかる。
・病理的産物弁証:「口がねばる・舌苔が厚い」ことから湿邪の存在がみてとれる。水滞証がある。
・病邪弁証:運動をしていることで意識的に水分を飲んでおられたこと、痰飲証があることから、この方のめまいと胃のもたれは湿邪が原因であると判断された。
病名
「口内炎と胃のつかえ」から熱邪の存在が見てとれる。湿熱証と判断した。
経過
1か月分の漢方薬を差し上げたところ、2週間ほど経って、自分の病気の相談に乗って欲しいと、この方の娘さんが来店された。お母さんのことをお聞きすると「もうすっかり良くて元気に過ごしている」とのことであった。1か月分を取りにこられたがもうすっかりと良いとのことであった。
考察
この方の場合は意識して水分を飲んでおられたことが体調を崩す原因になったようである。必要以上に水分を摂ることもストレスになると言う良い例だったと思う。