【漢方コラム】 日本人は理論的なものが苦手?


漢方の歴史から

日本には戦国時代に金・元の時代の漢方医学が入ってきました。
この医学を最初に導入された古方派(こほうは)と区別するために、後世方派(ごせいほうは)と名付けられました。

この学派はそれぞれの薬味(生薬)に、気味と呼ばれる温感(寒・涼・平・温・熱)と、五味(酸・苦・甘・辛・鹹)を配当しました。
また、経絡との関係や、薬方の中での働きの重要性によって、君・臣・佐・使の区別があるなど、かなり理論的になっています。
臨床のための実践よりも場合によってはこじつけに近いものまでありましたが、古方派の学説に比べかなり理論化されていました。

これに対して論理的過ぎると言うことから『傷寒論』などの古い漢方の学説を重んじる古方派が台頭することになったのです。

日本ではより理論的な学説の後世方派の医学は排斥されてしまいました。
これは日本人には理解しにくかったためだと個人的には考えています。

中国は陰陽五行論と言う哲学思想を生み出した国です。哲学的な思考は得意だったと考えられます。
反対に日本人は「わび・さび」と言った情感を大事にする国民性ですから、仕方なかったのかもしれません。

日本ではいまだに2千年前に編纂された古方派の傷寒雑病論と言う漢方医学を大事にしています。
この医学の特徴は対症療法(主に症状で選薬する方法)を大事にする漢方医学ですから漢方が伝わってからの数百年を「処方の応用」と言うことにだけ日本人は没頭してきたのです。

実践にだけ費やし、理論的な考察を一切放棄してきたように思います。

関連コラム:
【漢方コラム】 漢方医学は本物の医学


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。

当店の紹介

当店は自律神経失調症・パニック障害を専門的に扱う漢方薬局です。

30年以上、自律神経失調症とパニック障害への漢方治療を続けています。

漢方医学は統計による学問ですから、データ量、つまり治療経験数が多くなるほど治療の正確性が増していきます。

当店のように特定の疾患に絞って治療を重ねていくと正確なデータが多く得られ、治療も進歩していきます。

専門店だからこそのノウハウを持っています。治療の成果については、ご期待いただければと思います。