【漢方コラム】 自律神経失調症は何科に行けば良いの?


自律神経失調症は何科が専門?


2019年6月28日 更新

自律神経失調症と指摘されたり、自律神経失調症ではないか?と考えた時、まずは何科を受診すれば良いのかが大きな疑問になると思います。

自律神経失調症では様々な症状が現れ、不調が多すぎて何科を受診すれば良いのかさえ分かりません。

当店では自律神経失調症を専門にして30年以上治療を続けています。

これまでの経験から

・何科を受診すれば良いのか?
・どんな治療があるのか?
・そもそも自律神経失調症とは何なのか?

などの点について、お伝えしていきたいと思います。


目次

自律神経失調症とは医学用語ではない!?
自律神経失調症に正式な病名を付けると?
自律神経失調症と診断される人はどんな人!?
何科に行けば良いの!?
結論
病院治療での経過
西洋医学の考え方
漢方医学での考え方
自律神経失調症の判定
当店の紹介

自律神経失調症は医学用語ではない!?

まずは簡単に自律神経失調症とは何かを説明しておきます。

自律神経失調症とはその名の通り、自律神経が失調する(乱れる)ことで出てくる症状群のことです。
自律神経はたくさんの役割を担っていますので、自律神経を乱してしまうと本当にたくさんの症状が出てくることになります。

どのような症状が出てくるかは 症状の特徴 を/個別の詳しい症状解説については 症状解説 をご覧下さい。

最近では「自律神経失調症」という言葉は一般にも広く浸透し、良く耳にするようになりました。

この自律神経失調症とは見出しの通り、実は正式な医学用語ではありません。

医師も普通に使っていますが、正式に認められている医学用語ではなく

「自律神経が関係していると思われる症状が出ている」時に便宜上、自律神経失調症と呼ばれているに過ぎません。

なかには「自律神経失調症は病気ではない」と考えている医師もいらっしゃるようです。


自律神経失調症に正式な病名を付けると?

医学用語でも正式な病名でもないため、医師は患者さんのカルテに「自律神経失調症」と病名を記入することはありません。

しかし、患者さんには「自律神経失調症」と伝えることがあります。

どういった患者さんに「自律神経失調症」と説明しているのかについては、次の章:自律神経失調症と診断される人はどんな人?をご覧ください。

それでは、自律神経失調症と診断された方にはカルテ上でどのような病名が付けられているのでしょうか?

  • ・心身症
  • ・不安神経症
  • ・慢性疲労症候群
  • ・良性頭位めまい症
  • ・うつ病
  • ・双極性障害
  • ・強迫性障害
  • ・ ADHD(注意欠如多動性障害)
  • ・過敏性腸症候群
  • ・身体表現性障害
  • ・月経前症候群

など、様々な病名がカルテには記載されているようです。

(これも、もちろん一部に過ぎません)

伝える時には一言で「自律神経失調症」とまとめられていますが、病院では様々な診断名を使ってこの自律神経失調症を表現しています。

病名の付け方を見ていると内科・消化器科の疾患名であったり、心療内科・精神科の疾患名、婦人科の疾患名などが出てきていることが分かります。

「本当に最適な診療科はあるのだろうか?」

という疑問が出てくるのではないかと思います。


自律神経失調症と診断される人はどんな人!?

自律神経失調症と医師から伝えられる方には、次のような特徴があります。

・検査を行っても、病気の原因となるような異常が見つからない
・自律神経が担当する役割にそった症状が出ていること

つまり、医師(西洋医学)から見ると「自律神経失調症」とは、患者はいろいろな症状を訴えているが

検査をしても何も異常の出てこない、原因の分からない病気

ということなのです。

検査結果を重視する医師は「検査結果に異常がない=病気ではない」と考えます。

自律神経失調症は病気ではない

と考えるのは、このためなのでしょう。


何科に行けば良いの!?

ここまで説明してきたように、自律神経失調症とは西洋医学から見ると原因の分からない病気です。

自律神経失調症では、本当に多種多様な症状が現れてきます。

全ての症状を総合的に判断出来るような診療科は果たしてあるのでしょうか?

個別の症状に該当する診療科は

・胃腸症状
 胃腸科、内科

・動悸や頻脈、不整脈など
 心臓外科、循環器科、内科

・精神症状
 心療内科、精神科

・目の症状(かすむ、複視、眩しい等)
 眼科

・めまい、頭痛など頭部の症状
 脳神経外科

・頻尿、排泄困難、残尿感など
 泌尿器科

・息苦しい、胸の圧迫感、過呼吸など
 呼吸器科

・痛み、こり
 外科、整形外科、痛み専門外来

実際のところ、出てきている症状によって診療科を判断するしかありません。

たくさんの症状が出てきていれば、それだけたくさんの病院・診療科を受診することになります。


☆ 結論 ☆

対応出来る診療科はないと考えて下さい。

あえて言えば、精神科心療内科にいけば、全ては心の問題として診察・対応はしてくれるかと思います。

※決してお勧めは致しません。

頭痛がするのも、めまいがするのも、息苦しいのも、下痢をするのも、動悸がするのも全て精神的な(脳の)問題と診断されるのかと思います。

また、仮に出てきている症状に対応する全ての科を受診されても、結果的に異常が見当たらないため、病院では治療が出来ないことがほとんどです。

出来ることと言えば、【 対症療法 】になるでしょう。

・痛みがあれば痛み止めを
・めまいがあればめまいの薬を
・下痢があれば下痢止めを
・動悸があれば動悸を止める薬を
・不安感があれば抗不安薬を

といった具合です。

これでは多種多様な症状が出てくる自律神経失調症では、どれだけの数の薬を飲まなければならないのでしょうか?


また、上記のように症状に対応するお薬があれば、まだ良い方です。

・手足の痺れ
・集中力の低下
・息苦しい
・体の熱感やほてり
・倦怠感/疲労感

これらの症状は、自律神経失調症では比較的良く出てくるものです。

ですが、これと言って治療出来るような西洋医学のお薬はありません。

これでは対症療法すら出来ないという事態に陥ってしまいます。

(対症療法が効くかどうか、ともまた別のお話にはなります。)


病院治療での経過

十分な回復力があり適切な生活が出来れば、病院での対症療法だけでも自律神経失調症が改善していくことはあります。

辛い症状を抑えておく間に、自らの回復力で自律神経を整えていくのです。

ただ、慢性化してしまうことの多い自律神経失調症の方には、そもそもこの十分な回復力というものがありません

また、適切な生活が出来ていないから(気付いていないから)自律神経を乱してしまったとも言えます。
自律神経を乱している原因が分からない方に、適切な生活を送るのは無理なことなのです。

なかなか治療は難しいものと考えています。


西洋医学のお薬で症状を抑えておくと一時的に楽にはなることもあるのですが

対症療法にはいずれ限界がきます。

飲み続けないと症状が抑えられない。
どんどん症状が強くなり薬が効かなくなってしまう。

ここで効果が感じられなくなると、最終的に「精神的なものが原因であろう」と精神安定剤や抗うつ剤を処方されることが多くなります。


西洋医学の考え方

辛い症状があって本当に大変な苦しい思いをしているのに


医師からは

「精神的なもの」
「心の問題」
「何か大きなストレスがあるのでは?」
「気にし過ぎ」


酷い場合だと

「訴えている症状自体が妄想のもの」
「仮病」

と言われてしまうこともあるようです。


また、ご家族や周りの方からも「異常が見つからない=悪いところはない」のに不調ばかり訴えるということで

相手にしてもらえなかったり、それどころか「怠け者」などと責められてしまう悲しい現実もあります。


西洋医学的に見れば、検査結果が全てですから、仕方のないことなのかとは思います。

西洋医学では

「検査に異常がなければ、どこにも悪いところはない」

というのが基本的な考え方なのです。

西洋医学で自律神経失調症を治療していくことは、難しいと感じています。


漢方医学での考え方

漢方医学には、そもそも検査や検査結果という概念が存在しません。

必ず患者さんの訴えている症状を聞いていくことから治療が始まっていきます。

「患者さんが訴えている症状を聞いて治療していく」

というスタイルの漢方治療は、自律神経失調症にはぴったりと言えるでしょう。

漢方医学ではたくさんの様々な症状が出ていても、その原因を辿っていけば1つのものであるという考えの元で治療を行っていきます。

大元の原因さえ治療してしまえば、全ての症状が改善するとの考え方です。

出てきている全ての症状に対応した治療出来るのが、漢方治療の大きなメリットであり特徴でもあると考えています。
たくさんの症状があるからと、たくさんの処方(薬)を使う必要がないのです。


もちろん漢方医学でも自律神経失調症という言葉が用いられることは近年までありませんでした。

ただし、数千年における治療経験の積み重ねの中に、自律神経失調症に該当する患者さんがたくさんいたことは間違いありません。

現代に集約されてきたたくさんの治療経験の中から
当店は自律神経失調症という病気を見出しているため、治療法が確立出来ています。

当店のような自律神経失調症の専門薬局は珍しい存在です。

ぜひ一度、ご相談下さい。


ご相談は無料です。下記のページからご相談下さい。

漢方薬をご注文いただき、購入されるまでは料金はかかりません。
詳しくはをご覧下さい。


自律神経失調症の判定

あなたが自律神経失調症であるかは、症状の特徴 ページに記載してある症状に該当するかで確認していけるでしょう。

多くの症状が当てはまるとすれば、自律神経失調症である可能性は高いと言えます。

もちろん、ご相談いただければ

・あなたがそもそも自律神経失調症であるかどうか
・自律神経を乱している原因は何であるか
・その原因は漢方治療で改善可能なのか

などにもお答えしていけます。

それではご相談をお待ちしています。


ご相談は無料です。下記のページからご相談下さい。


当店の紹介

当店は自律神経失調症を専門的に扱う漢方薬局です。

30年以上、自律神経失調症への漢方治療を続けています。

漢方医学は統計による学問ですから、データ量、つまり治療経験数が多くなるほど治療の正確性が増していきます。

当店のように自律神経失調症に絞って治療を重ねていくと正確なデータが多く得られ、治療も進歩していきます。

自律神経を整えていく方法についても、他の漢方専門薬局様よりも広く深く知っていると考えています。