経験例77 食後にお腹が張る 急な不安感 血の気が引く 10代男性 【 自律神経失調症の治し方 】


発病の経過と症状

ご相談いただいた症状は下記のものです。

食後にお腹が張る
腹痛
急な不安感
冷や汗
血の気が引く
気が狂いそうになる
予期不安
パニック

中学3年生の冬から発症。現在高校3年生の夏休み。もう少しで夏休みが終わる時期。

受験が控えているが学校にはあまり行けていない。


特徴

ご相談いただいた症状以外の特徴は

1.強い熱感や興奮はない。冷えや寒気を感じる傾向あり。

2.頭痛、疲れやすい、身体がだるい、足が重い、目が疲れる、頭重感など 血流は低下した状態。

3.不安感、恐怖感、パニックを起こしたことがあるなど 脳の過敏状態も出ています。

4.食欲はあり、美味しく食べられると胃腸に大きな乱れはありません。ただし、便通が1日5~6回と多めです。

不調は緊張時と食後、夕方以降が多い。

登校前に不調が出ることも多く、学校にはあまり行けていないという現状。

病院受診では特に異常は見当たらない。心療内科の受診を勧められているが、未受診状態。まずは漢方薬で治療してみたい。


学校に行きたくないので不調が出ているのではないかとも疑えますが、お休みの日にも同様の不調が出る。
夏休み中は比較的楽に過ごせていたようだが、それでも調子が良いとは言えない状態。

精神的な緊張は症状に関与はしているが、原因そのものではないと判断出来る病態です。

詳しく病態を分析していった結果、不調の原因は特定出来ましたので治療に入っていきます。


治療経過

服用から2週間

夏休みが終わり、学校が再開した。

始業式前日から予期不安が強く、腹痛あり、顔が強張っていた。
登校したもののパニックが起こり途中で帰宅。

学校が再開したことで、夏休み以上に調子が悪い。

服用から1ヶ月

漢方が効いているような感じはするとのこと。(本人談)

まだ学校には行けたり、行けなかったり。

1日だけ丸1日登校出来た日があった。その他は途中下校。
1日行けた日があっただけでも少しマシかなと感じる。

服用から2ヶ月

1度、途中で保健室に行き、翌日休んだ日はあったが、それ以外は休み無しで登校出来ている。
1日登校出来る日も増えてきた。

朝のトイレが多く4~5回だったが、2回に減った。
腹痛が出ても耐えられる程度に。苦手だった集会に参加しても大丈夫になった。

漢方薬が効いてきていると本人も実感している。

服用から3ヶ月

順調に改善してきている。

3ヶ月目の後半を境に身体が変わった感覚があるとのこと。

ご飯を前よりも食べるようになっている。食後のお腹の張りはもう出てこない。

服用から4ヶ月

この1ヶ月は休みなく登校。途中下校も無し。だいぶ良い状態。

受験を控えているがのんびりリラックスしている。親としては逆に心配。
ただ、体調が良さそうなのでそこは安心している。
以前の状態であれば、受験が近づくことで調子が悪くなることを心配していた。

お腹が空くとたくさん食べる。もちろんどれだけ食べてもお腹は張らない。顔色も良好。

服用から5ヶ月

良好な状態が続いている。来月受験を控えているが、特に緊張することなく体調も良い。

受験まで続けておこうか迷ったが、状態が良いので今回で廃薬しようと考えている。

これ以降の連絡は特に来ていませんので、そのまま調子良く過ごされているかと思います。


考察

食後にお腹が張るという症状自体は、胃腸に乱れがあり、胃腸の処理能力が低下した状態にあると考えていきます。
食事の内容や量が、この処理能力を超えてしまった時に食後のお腹の張りが出てきます。
その時の胃腸の状態に対して、飲食が合っていないと判断する状況です。

漢方治療では胃腸を整えていくことももちろん担当していきますが、飲食を処理能力の範囲内に収めていくことも必要です。

当店ではこうした時の飲食の指導まで行っていきます。
栄養バランスや摂取カロリーなどはこの時特に考える必要はありません。

胃腸を整えていくことが優先されます。栄養や必要カロリーを摂取したからと調子が良くなることはないので、後回しにしていきます。
このあたりは現代医学にはない考え方かと思います。

当店の飲食指導は中医学・東洋医学をベースとしてはいますが、これまでの治療経験に基づく部分が大きいため、ほぼ当店独自のものとなっています。
同様の不調を起こされていた方に、こうした飲食の指導を行ったところ改善が早かったという経験を多く持っています。
自律神経失調症を専門とすることで、同様の症例を数多く持っていることが当店の強みと言えます。


この方の治療は、服用半年ほどで終了となりました。

若い方は回復力があるということはもちろんありますが、不調の大きな原因として飲食に問題があったためとも考えています。

その時の胃腸の状態に合わせた飲食が必要になるのですが、西洋医学(特に栄養学)の浸透度合いは凄まじく栄養さえバランスよく、適切に食べられれば健康になれるという意識が強く、現在の飲食は正しいものと思われていたようでした。

回復から安定までが早かったのは、治療中に適切な飲食をある程度身につけられていったためとも考えています。
治療(漢方薬)は同じでも、飲食の調節がなければ、ズルズルと治療は長引いていたかと思っています。

飲食についてのアドバイスまで細かく行っていくことは、通常病院の治療ではありません。(あったとしても栄養指導です。)
漢方薬局でも漢方薬を出して終わりとなることがほとんどです。

胃腸の不調を改善していくためには飲食はとても重要です。
これまで飲食についての取り組みをしたことがなく、なかなか胃腸が整ってきていないという方は、また当店にご相談下さい。

また、今回いただいたご相談内容と同じような不調でお困りの方は、ご相談下さい。治療していけると考えています。


ご相談は無料です。下記のリンクからご相談下さい。